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アンパンマンに学ぶ「生きる意味」

以前下書きにしたまま、ずーっと公開されていなかった記事・・・自分が思っていたこととか、考えていたことの記録として公開しておくことにする。

2019年に生まれた娘も、今年で2才になった。本当にあっという間だ。そんな娘は、1才を過ぎたくらいから、いわゆるアンパンマン信者と化した。アニメは一度も見せたことはなかったのに、アンパンマンをアンパンマンと認識していて、「パンマン!パンマン!」と元気に叫んでいた。

2才になった今も、相も変わらず娘はアンパンマンが大好き。

大人になって見る「アンパンマン」が面白い

これはおそらく子を持つ親あるあるなのだろうけれど、子どもが見ているアニメや番組について親の方がやけに詳しくなる。わたしもアンパンマンに関しては、娘にも負けず詳しくなったと思う。

「アンパンマン」の構成はいたってシンプル。

アンパンマンの世界に住む「住人」たちは基本的に動物であり、人の姿をしているのは基本的にジャムおじさんとバタコさんだけ。そして、物語の「キーマン」となるキャラクターは食材や料理といった「食べもの」やホチキスやクレヨンなどの文具から、歯ブラシ、パジャマといった日用品などの「身近なもの」をモチーフにしたものがほとんど。

そして、ばいきんまんが誰かの邪魔をしたり、食べ物を横取りしたり、そんなわるいことをしているところへ、アンパンマンがやってきて「アンパンチ」で成敗する、という毎度オチがわかりやすい物語が基本だ。

大人になってすごいなと思ったのは、アンパンマンに登場する「キーマン」となるキャラクターは相当数いるはずだが、誰一人として性格などの「キャラ」が被っていないこと。(調べてみたら、2009年に「『それいけ!アンパンマン』のなかまたち(キャラクター)の数が世界一」としてギネスの認定も受けている)。かつ、ひとりひとりがしっかりと自分が何を得意とするのか、弱点などを理解したうえで存在している。

さらに、毎度毎度オチは同じでも、そこに行きつくまでの過程(ストーリー)がひとつひとつ違い、連続して何話見ていても飽きない。それは、ストーリーに登場する「キーマン」となるキャラクターの個性がひとつひとつ違うからだろうと思う。

「何のために生まれてきたのか知っている?」

さらに奥が深いのは、ふとした瞬間にキャラクターが発する「言葉」。わたしがここ最近で心にグッときたのは2018年に公開された「それいけ!アンパンマン かがやけ!クルンといのちの星」という映画の中で、登場人物であるロールパンナとジャムおじさんの言葉。

自分が何のために存在するのかわからない、宇宙からやってきたクルン(この映画のキーマンキャラクター)が、アンパンマンの世界に存在するいろいろな人に「自分が何のために生まれてきたか知っている?」という質問を投げかける。質問したキャラクターが「そんなのわからないよ」と答えるなか、ロールパンナに同じ質問をすると、自分自身が何のために生まれてきたのか「わからない」と答えるものの「アンパンマンはすごいな。自分が何のために生まれてきたか知っている」と言う。

そして(多分、同じ質問をしたのであろう)ジャムおじさんが「この世界に生まれてきた命はすべて、たとえどんな小さな命でも、きっと何か役目を持って生まれてきたんだと思う。それが何なのか、気づくことができたら、それはとっても幸せなことなんじゃないかなあ」と。

全然泣くシーンではないのだろうけど、ここで涙してしまったわたし(笑)

憶測になるが、アンパンマンをはじめ、しょくぱんまんやカレーパンマンなど「キーマン」かつ「強い」キャラクターは、きっと一人ひとりが「何のために生まれてきたのか」を知っているから強いのだろうなと思う。

何のために生まれて、何をして生きるのか。答えられないなんて、そんなのはいやだ!

また、アンパンマンのテーマソングである「アンパンマンのマーチ」の歌詞はすごく奥深い。子ども向けであるアンパンマンのテーマソングに、大人になればなるほど奥深く感じる歌詞を重ねたのだろうかといつも思う。


なんのために生まれて、なにをして生きるのか、答えられないなんて、そんなのはいやだ!
なにが君のしあわせ、なにをしてよろこぶ、​わからないまま終わる、そんなのはいやだ!
時ははやく過ぎる、光る星は消える、だから君はいくんだ、ほほえんで

アンパンマンのマーチの中で、グッとくる歌詞たち。子どもの頃、よく聴いていた歌が、大人になってここまで心に刺さるなんて、思ってもみなかった。

逆に大人が考えさせられるアンパンマン

わたしは中学から大学までの間、部活動としてソフトボールをしていたのだが、ソフトボール界のいわば「レジェンド」である、上野由岐子さんが昔から「アンパンマンが好き」と言っていたことを、たまに思い出す。

当時は「なぜアンパンマン?」としか思わなかったが、今となってはそう言う理由がわかる気がする。自分がなんのために生まれてきたのかを理解し、自分のできることに徹し、分け隔てなくみんなに優しい、それがアンパンマン。アニメを見ているとアンパンマンがイケメンにすら見えてくる(笑)

見れば見るほど奥が深い、(個人的には)子どもよりもいろんなことを考えて頭を使うんじゃないかというくらい考えさせられるアンパンマンがわたしは好きだ。

これからも娘の中でアンパンマンが、みんなを助けてくれるヒーローでありつづけてくれることを願いながら、わたし自身は娘のお供としてアンパンマンに助けてもらおうと思う。

「生きる意味」を見つけて生きていくことは、人生を歩んでいく中でも大きなテーマであると思う。なにが正解、なにが間違いというのはないと思うけど、自分が間違ったと思えば間違いだろうし、正解と思えば正解(かと言って犯罪を犯していい理由にはならないことは大前提として)なのだろう。わたしもアンパンマンのように、自分の役割を理解して、それに徹することのできる人間になりたいなあ。

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