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トキワ荘に地獄の扉を開けに行った日記~デビルマン×マジンガーZ展(デビルマン編)

5月19日(金)、ド平日の朝10時。片道一時間半ほどかけて大江戸線落合南長崎駅についたのはそんな時間だった。しかも雨が降っていた。

石川漫画ゲッターからデビルマンを履修してダイナミック作品まで手を伸ばした私がこの展示の話を聞いたのはひと月ほど前。
「なにそれ、私も地獄の扉開けたい!!(真っ先に死ぬ)」
と、まったく大人げないワクワク感でもって友人を誘ってこの日を迎えたのであった。

トキワ荘マンガミュージアム外観

「トキワ荘」といえば、漫画読みなら名前を一度くらいは耳にしたことがあるだろう。多分。
トキワ荘マンガミュージアムは建築から10年という設定でのトキワ荘を忠実に再現した建物と、その一階部分に現代的なギャラリーを併設した区立のミュージアムである。
(広くはないため余裕をもって見学できるよう定員が決まっている様子。空いていれば飛び込みでも大丈夫だが事前予約がおすすめ)
この日は11時からスタッフさんによる45分ほどのギャラリーツアーがあり、解説してくれるとのことで、折角だしそれに参加しよう!と早めに訪れたのだった。
ミュージアムについたのは開館から20分も経っていなかったのに既に私たちで6人目(定員10名)。余裕をもって早めに行動して良かった……平日の雨なんですぞ? 皆やる気あるね??

玄関で靴を脱ぎ、受付を済ませると、順路は玄関前の急な階段から始まる。(わぁ、今はなき実家の階段にそっくり)と思いつつ足を乗せれば、軋んであの木造の階段そのものの感触を返し音を立てるものだからもう驚いてしまった。
パンフレットや二階にある説明に目を通せば、現代の技術の建物の内部にわざわざ木製の内壁で二重にする形で二階部分を再現、この階段も忠実に再現していたらしい。正直オタクならこの職人芸と拘りだけで胸がときめく人間もいるに違いない。まあ、私がそうなのだが。
(この再現プロジェクトの経緯なども軽く展示されている)

二階には便所、共同炊事場、四畳半の住人の部屋が再現展示されていて、当時の暮らしを垣間見ることができる。
のだが、そこに唐突に現れるジンメン。

四畳半いっぱいいっぱいだった。でかかった。

覗いた途端に二度見した程度には大迫力だった。身長170無いくらいの私でも頭ぶつからないか心配になる程度の入り口から、私より頭ひとつ分くらい大きくて天井まで届きそうなこのジンメン君をどうやってお部屋にご招待したのだろうかと後から気になった。トキワ荘の方々にはご迷惑極まりなかろう住人である。
なおそっと同化されてみたが、友人がノリノリで「できるだけ苦しげな顔をするから早く撮ってくれ。長くは持たない」とスマホを渡され、よい友人を持ったなあと思いました。そんな言葉聞くことある??

この二階の各再現部屋も興味深く楽しかったが、今日の日記は地獄の扉を開けることなので省略して。
二階を見終わると突き当たりにあるエレベーター(!)で一階へ。降りた途端に真っ白で開放的な現代的空間で、軽いタイムスリップ感があった。そのギャップで今まで見ていた「トキワ荘」の風景が印象にも残りやすく、意図的な設計なのだとしたら上手いことできているなあと思う。
ギャラリー前のホールにはジオラマとインタビュー動画、今回の展示に関してはデビルマンとマジンガーの各種単行本が壁面にずらりと並んでいて、版の多さだけでなんだか歴史を感じてみたり。さすが50年愛され続けた漫画よ……。

そして、今回の、メインです。

この扉を!! 開けに来ました!!!!!!
(内部はフォトスポット以外は撮影禁止だが、この扉は良いとのこと)
右側には永井先生直筆のデビルマンとマジンガーとサインまで!
ギャラリーツアーが始まるまでそわそわしながら写真を撮り、辺りをうろつく不審者に。

「10分くらいでさっと描かれてました」とお話を聞いた気がする
地獄の扉を開けると、扉絵でいっぱいのフォトスポット

扉を開けると広がるフォトスポットは天井までデビルマンとマジンガーの扉絵で埋め尽くされていて、なんだかそれだけですごかった。電子書籍だと扉絵は収録されていなかったりするので地味に嬉しくもある。

ギャラリーツアーでは貴重なお話を伺うことができました。デビルマンでのギャラリーツアーは全日程終えてると思うし、これは内緒ねって言われなかったことをメモると

・新デビルマンはデビルマンの一部であるっぽい展示構成とお話
・カラー原画の彩色はアシスタントさんによるみたいな話もあった気がするがどの程度なのか聞けば良かった
・雑誌掲載時には次号へ続くコマがあった部分が塗りつぶされ、新規頁が挿入されている
・出版の度に永井先生は原稿を全部チェックしなおして手直しなどをしているらしい
・ので、まるっと下半分書き換えられてる頁があったりする(上半分が元原稿張り付けてる形だった)
・石ノ森先生と白土三平先生の影響の話
・一番お気に入りのデーモンはシレーヌだとか

ざっとこんな感じだった記憶。雑誌コピーとの比較を見せて頂いたりしてわかりやすかったです。
概ね時間通りに終わって、いざ自分達だけで二周目の際には
「カケアミが……」「使ってる方法はわかるけどなんでこうなるのかわからない」「これ切り抜き?」「いや、輪郭線へこんでるから縁取り書いて塗ってる」「これ画用紙に木炭?」「ケント紙じゃないよなあ……」
などとためつすがめつ角度変えて見まくってて同時間帯の方々にはお邪魔だったかもしれない申し訳ない。
図録もあるけどやっぱり生原稿は情報量が半端ないんで直接見れるのが一番だよね……。(図録は永井先生をはじめとするインタビューの他、初出明記や各派生作品の簡単な説明などがあって買って良かった)
ゲッターの民なのでデビルマンVSゲッターの見開き原稿の前で「やっぱ初代ベースだとドリルは左手なのか……」とかぼんやり見てたけど、帰宅して同年代の作品がどの辺だったか図録で改めて確認したら石川先生にタッチ寄せて描いてる部分があったのかななどとも思ったり。
とても堪能しました!! ありがとうございました!!
入館から約二時間ほど滞在し、図録を買ってミュージアムを後に。いやー楽しかった。
特別観覧料500円だけ(しかも特典で缶バッジ╱全6種・ランダムが貰えた)でこんなに楽しんでいいのか。

缶バッジはマジンガーでした。この絵柄かっこいい!

トキワ荘マンガミュージアムはその前に丹頂型電話ボックス(ってはじめて私見た)があったり、

中には入れないけど青い公衆電話がありました
トキワ荘マンガミュージアム裏

裏手を見ることもできる。新築三年だからこんななるはずないし、わざわざ錆びや汚しの加工とかしてあるとか手が込みすぎでは。本当に隅々まで作り込んであるなあという印象で、建物だけで見る価値あるなって感想。

この後にはやはりお噂にはかねがねの中華屋「松葉」さんでラーメンを食べ(いかにも昔ながらのラーメンで最近の食べなれてると新鮮でした。あっさりめのスープまで美味しかった)、昭和レトロ館(昭和の遊び道具とか一般家庭の再現展示)、トキワ荘通りお休み処(トキワ荘の一室再現、喫茶店エデンで使用されていた椅子など)、トキワ荘マンガステーション(関連漫画家さんの著作が自由に読める)などを巡りつつ、タバコ屋さんでは実際に漫画家さんがここに住んでおられたんだなあと思えるお話を伺えたり。

エピソードは沢山いろんな本で目にしても、その作品が描かれた時代のこともよく知らず、漫画家さん方がそこに住まわれていたことも実感として持つことができずにいたので、今回わずかなり「そこに生活していた人たち」の感覚を持てたことは良かったんじゃないかなあと思っている。わからないものはわからないけれど、なにも知らないよりは良いんじゃないかなって。

(平日の雨だった事もあってか)行く先々でスタッフの方に親切にしていただいたことも嬉しかったです。また行きたいねえ。
お休み処のスタッフさんに「是非少女漫画を!」と熱くリクエストしていた友人の希望も届くと良いな。

椎名町駅から池袋に出ると池袋東武8Fで「昭和レトロな世界展」が23日まで開催とのことでそっちにもハシゴしてマジンガーとデビルマンの等身大立像見たりクリームソーダ飲んだりして本当に充実した一日でした!
すっごく楽しかった! 一日付き合ってくれた友人ありがとうな!!

【追記】
後日今度は一人でマジンガーZも見に行きましたの日記はこちら↓

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