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#164:汗疹(あせも)に注意

疫病感染が3年も続き、世の中は大不況、ロシアの仕掛けた戦争で物価高。電気代を節約すると今までは比較的子供に多かった「汗疹(あせも)」が大人にも増えそうです。
節電でエアコンの使用を控えると従来よりも発汗量が増えます。発汗量が増えると皮膚表面の角質は、ふやけて汗の出口である汗口とその付近に汗がたまって赤く盛り上がり、水ぶくれになりますが、この状態がいわゆる汗疹で、水ぶくれが破れるとチクチク痛かったり痒くなったりと、汗疹特有の症状となります。
また、本来汗は弱酸性で、これが皮膚表面の細菌の発育を抑制するのですが、どんどん汗をかき続けるとアルカリ性に傾き、皮膚が化膿しやすくなるのです。

さて一方で、『汗臭い』という表現がありますが本当は汗自体が臭いを出すということはほとんどありません。汗は二つの汗腺から出ていて、ほとんどが水分で体全身にあるエクリン腺と、ワキの下や耳周辺、その他の一定の部分(人間は退化した)にしかないが、濃厚で粘性が高く、タンパク質の量が多いアポクリン腺というのがあります。

こう書くと、アポクリン腺の汗の方はいかにも臭いそうですが、先に述べたように汗自体はほとんど臭くなく、実際の汗臭さの原因は、汗に含まれている尿素やアンモニア、その他の成分が皮膚に常在している細菌によって分解された時に発生するものなのです。
(中でもワキガ等の強烈な臭いはアポクリン腺が大きく関与している)。
つまり、汗疹も汗臭さも汗が長く体にあるのが大きな原因で、汗量を減少させるために身体を涼しく保ち、頻繁に汗を拭き取り、お風呂やシャワーで清潔に保つということが一番の予防法となってくるのです。
発症してしまったら、炎症を抑えるために専門家の処方や治療をすみやかに受けるようにしましょう。

古賀 直樹
▼中野坂上治療院のウェブサイト
http://www.nakanosakaueseitai.com

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