見出し画像

移動し続ける自分の居場所。

2023.3.6

朝。『これはちゃうか』の短編をひとつ読み終えてから、居合わせたみんなでラジオ体操。今日は大阪弁バージョン。

『草原が大好き ダリアちゃん』長倉洋海 アリス館

朝ごはんの前に、長倉洋海さんの写真絵本『草原が大好き ダリアちゃん』アリス館を読む。シベリアでトナカイたちと暮らしている5歳の女の子。とっても良い絵本だった。遊牧民の暮らしを垣間見るのが好き。テントを張る様子や生活用品、カラフルなスカーフやコートの刺繍など、くまなくみまくる。お召し物が本当に素敵で、いくら見ても飽きない。大自然を受け入れ順応した、芯のある無駄のない暮らし。トナカイだって何一つ無駄にしない。ダリアちゃんは天真爛漫で、厳しさも身を持って知っている凛々しさのような、そんな真っ直ぐな強さも感じられる女の子。生きていく力が芯として通っていて、それでいてどこまでも可愛らしい。

白鳥が飛ぶ、この空が好き。

読み終えると、外から鳥の声。見ると、春めいた青空にシベリアへと帰る白鳥たちがV字に群をなし飛んでいった。なんというタイミング。毎年白鳥は見るけど、見る度に嬉しくなる。白鳥の声がすると探してしまう。いつ会えても感動する。無事に帰ってね、またね。

そういえばAudibleで聴いた小川糸さんの『私の夢は』には、モンゴルの羊の遊牧民のことが書かれていた。遊牧生活を体験するのは過酷と容易に想像できる。自分のしている暮らしとかけ離れ過ぎているから、遊牧民に心を引かれるのかもしれない。

カナダ、モンゴル、石垣島…
旅の記録満載のエッセイ。


冬に必ず読み返す絵本を読み納め。遊牧民の暮らしを描いた『ゆきとトナカイのうた』こちらは北欧ラップランドの少数民族サーミ人のトナカイの遊牧の暮らしを描いた絵本。文も絵も事細やかで丁寧で美しく、かなりのボリューム。極寒の自然をトナカイと共に生き抜く人々。民族衣装が本当に素敵。文句なしの名作。私の持っている絵本は、1990年初版の福武書店のものなんだけど、2001年にポプラ社が復刊してるみたい。残念ながらどちらも入手困難。多くの人に読んでもらいたいのになぁ。本当に大好きな宝物の絵本です。

『ゆきとトナカイのうた』
ボディル・ハグブリンク 作・絵 山内清子  訳


自分の居場所が移動し続ける暮らしって、実際に検討もつかないくらい大変だろうし、だからこんなに興味があるのかな。もう引っ越しですら白目よ。だってこの膨大な本たち、どうするの?本好きの引っ越しは一大事も一大事。どれもこれも大事だから。
本当は何処にも行かなくても移動してるのかも。なんかでも多分、本当に大事なことは、何処に行っても移動しないのかもしれない。本当の本当の居場所っていうのは多分、きっと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?