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”麹菌、納豆菌、乳酸菌は最強なのか?”完結編...強い。だけど取説は必要。

”麹菌、納豆菌、乳酸菌は最強なのか” 結論に迫る

前回は、地中深くに沈み込んだ微生物を
地上に引き戻すための山芋の戦略について書かせていただきました。

「眉唾じゃん」って
思われた方も多いかなと思います。
ま、それはそれで仕方ないかな。
変な話、戦後の農業の化学肥料以外の農法の根幹は、
目に見えてわかりやすい腐葉土が正しい、正解はこれしかない!
くらいの感じだし、そもそも、教育自体、
万民にわかりやすい設問があって、常に答えは一つ
というものの積み重ねを経て身に染みついちゃっているので
新しい視点に目を向けるってそんなに簡単なことではないと思います。

それに、微生物にスポットを当てすぎると農薬や除草剤の
不都合な面をあぶり出すことにもつながりかねません。
製品の裏側にはそれに関わる人の生活があり、
軽々しく否定するということは、その人たちの食い扶持を危うくする行為だとも思います。

なので、ものの善悪の線を引くことはしたくない。
これを読んで面白いなと思うもよし。
やってみようと思ってくれれば嬉しい。
ウソやんと思って背を向けるもよし。
人は皆んな選択する自由を持っているのだし、
今読んだから、今善悪を決めなきゃいけないのでもない。
もし、この先の未来のどこかでふとこの記事を思い出して、
それが何かの役に立つことがあるかもしれないと思いたいので
という気持ちで、記事を書いています。

その上で、”麹菌、納豆菌、乳酸菌は最強なのか”という問いの答えは
ある意味そうなのだと思いますが、
オールマイティの”最強”ではない。これが答えです。

日本のあらゆる文化は麹菌類に対するマーケティングの結果…かも

実は、前々から気にはなっていたけれど、
それがなぜかわからなかったことが世の中にはたくさんあって、
今回山芋の戦略を書いていて腑に落ちることがいろいろ出てきたんです。

私の趣味の守備範囲は自分で言うのも何ですが結構広いので、
わかりにくくなっちゃうかもしれませんが、とにかく書きますね。

腐葉土の下、微生物が多くたまる土とはそもそもどんな土なのか。
土の鉱物的な成分はひとまず置いておきますが、
特徴としては細かい土が多くって、わりと粘土質っぽい感じ。

このタイプの土、遺跡の発掘現場の土とよく似ているんですよ。
若い頃、一時期遺跡発掘のバイトをやっていてその時も
違和感はあったんですけど、
遺跡が出てくる地層の土って虫もみみずもいないんです。
その上、何といえばいいか、あんまり匂いがない。
そしてすぐ乾燥して硬くなる。
まるで遺跡を保管するためにオーダーメイドしたような土なんです。

そしてこの土、別の場所でも見た覚えがあるんです。
それが、今は入れませんが、
渋谷にある代々木八幡神社の中にある竪穴式住居のレプリカの床と
とてもよく似ているんです。
子供の頃に親の都合で東京に越してきて、
田舎が恋しくてでも、人目が多くて泣きたくても泣けない時に、
時々この神社の竪穴式住居の中に逃げ込んでいましたっけ。
自宅からはそこそこ距離があったのでそんなに頻繁には来れなかったけど
都会の子は竪穴式住居なんて見向きもしないし、
ましてやその中に入ろうとも思わないようで、
いつでも貸切の秘密基地みたいにおもってましたっけ。

あの時も、竪穴式住居の中はカビ臭も全くないし、
なんか変に清潔でとにかく居心地が良かったんです。
何より、虫が少ない。
管理者の手が入っているとはいえ、蜘蛛くらいしか出てこないと言うのは
今考えればおかしな話です。

さらに、日本建築の主に田舎家の土壁ですが、
土壁の土も微生物層の土と稲藁で作ることが多いですよね。

そして、極め付けは蝉の幼虫。
彼らは何年もの間土の中で生活するわけですが、
彼らの生活圏の多くは微生物層で、それより上に迷い込んだ蝉の幼虫は
菌類につかまって冬虫夏草になってしまう。

他にも挙げればキリがないけど、
つまりこれらが示している答えは、
微生物層(ん〜粘土層った言っていいか)って実はびっくりするほど清潔で、もしかして抗菌作用すらあるんじゃないかってことなんです。

蔵元と微生物層

微生物層に抗菌作用があるとして、
その抗菌の原因は何かと考えた時思い当たったのが、
酒、味噌、醤油の蔵です。
よく、蔵元の蔵には菌が住み着いていると言われますが、
その最初を紐解けば、蔵の土壁の土にはそもそも菌がいたから
酒、味噌、醤油に使われる麹菌ともども清潔な空間、環境を構築できているのではないかと考えたんです。

逆に紐解けば、
そもそも微生物多めの粘土層(って言っちゃった)は、
人に対しては有用でも、カビやウィルス、キノコなどの胞子にとっては
都合の悪い麹菌類が豊富に含まれていて、
その土を壁材として利用することで、
常に壁から麹菌がこぼれ落ちている状態を作り出すことができ、
天然の空気清浄効果をもたらして来ていた。

雨風のことを考えれば、高床にした方が効果的なのに、
縄文時代はわざわざ竪穴にして地面より床面を低くして生活し、
しかもその住居形式が恐ろしく長い間変化することがなかった理由は、
もしかすると、これも微生物層に含まれる麹菌の空気清浄効果を
一番大切な睡眠時の姿勢に合わせたからなんじゃないか。
そう思えて来ます。

蝉の幼虫にしても、カビやウィルス、キノコが進出してこない
生活な場所で、安心して木の根から栄養をもらって生きられるなら
何も毎年敵の多い地上に出てこなくても
何年も清潔なエンジョイニート生活を送れるなら、
そちの方が良いと選択したのかもしれません。
虫なのに、何年単位で生きてるって
よく考えたらものすごく不自然ですもんね。

麹菌類最強説

微生物研究者の方々はきっと麹菌だけが有用微生物じゃないと
言われると思いますが、私もそう思います。
今回は麹菌に絞って話しているので、こう言った書き振りになるのは
お許しいただきたいと思います。

さて、麹菌に限らず、微生物って増殖するための餌がある時ほど滅しやすく、餌がなければ休眠する。
農業用微生物資材が乾燥状態なのもそのためではないでしょうか。

土壁の場合、表面の微生物は雨の湿気で水に溶け、
室温や人肌で蒸発する水とともに空気中にただよい、
呼吸で人の体に入ったのちは、
腸内細菌として人が生きるため力を貸してくれる。

生活様式が変わって、土壁から木造の高床式になると、
人は別の形で麹菌類を体内に取り込み始めます。
それが、糠床、漬物、酒、味噌、醤油。
日本で発酵食品の文化が深く根付き発展したのは、
微生物層とともに生活し、無意識に多く吸い込んできた
縄文時代の麹菌の記憶がしっかりとDNAに刻み込まれているからかもしれません。
もしかすると、平安の都で疫病が蔓延してしまった要因の一つも
竪穴から地上へと変化した生活様式の中で、
体内に取り込んできた麹菌の不足が関係していたりして......。
この仮説はそれこそ、研究者の研究結果を待ちたいと思います。
でも、突拍子もなさすぎてタレも調べたりしないか^^。

畑に麹菌を撒けば良いのか?

気を取り直して。
では、麹菌類を畑に撒けば畑の土壌改善に直結するのか。
そこが問題ですよね?
答えはNOです。
畑で麹菌類を活用する場合は、
きちんと麹菌について、特性や好みを調査(マーケティング)して
適切なタイミングで”処方”する必要があります。
ものすごく有用なものというのは、
ものすごくリスキーな面もあるからです。

リフォレスターでは特別なことをしなくても成果が出ていますが、
それは、特別なことをしなくても成果が出る環境を
初めから用意しているからなんです。
室内での利用はNGですが、飽きて数ヶ月ほったらかしても
またやりたい時に始められる手軽さも、
それが許される環境を初めから用意しているからなんです。
板に開いた節穴さえも重要な環境的戦略の一つなんですよ、うん、うん。😤

リフォレスターの仕組みを活用して
同じような成果をあげることはできますが、
それは家庭菜園レベルまでで、
大規模な機械農業では別の戦略が必要なんですね。

なので、引き続き、ベランダに特化したリフォレスターの活用や
メンテナンスについては無料の記事に書いてゆきますが、
家庭菜園や自然農法に見合った微生物資材の使い方や、
そこそこ大きな畑で微生物資材を活用する土づくりの提案などは
今後有料記事の方で書いてゆきたいと思いますので、
ぜひ、記事の購入をお願いしたい、お願いします、買って欲しいなぁ。

というわけで、4回にわたって書いて来た無料記事での麹菌類のお話は
これでおしまいです。
いつも記事を読んでくださる皆さん。
いつもありがとうございます。
リフォレスターの取説好き販売のクラファン開始まで
後1500ビューとなっています。

現在、木箱のデザインの見直しを進めるとともに
特に再生フェルトで協力してくださる方を探しています。
協力してくださる方には
製品の開発に関する情報の提供などもさせていただこうと思っていますので
よろしければコメント欄に書き込んでいただければありがたいです。

記事を読んでくださり❤️していただけますと、
大変嬉しく励みになります。
今後とも応援、よろしくお願いします!🙇


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