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リフォレスターを始めたかこそわかる、西東京の農家さんの凄さについて語りたい。(2)

江戸川の小松菜農家さん、練馬のイチゴ農家さん、県境のネギ農家さん、
立川のウド農家さん、八王子の米農家さんなど近年東京の農業の熱さがすごいんですよ。
私はベランダで土づくりして、ベランダ菜園して、土のリサイクルサイクルを提案している者ですが、日常の食糧は購入しているわけです。
でも、やっぱり野菜の質は気になる。どうしても気になるし、作れない野菜の方が圧倒的に多いので野菜の購入は”狩り”に近い感覚だったりします。
特に産直野菜からは学ぶことも多いので、今回はおすすめのマーケットと東京農家さんへの思いを、尊敬を込めて書きたいと思います。

世田谷プライド、ファーマーズマーケット千歳烏山

リフォレスター以前、農家の産直所巡りをしたいた私ですが、
そこまで東京の農家さんが”すごい”とは思っていませんでしたし、
なんなら、東京の産直野菜は新鮮かもしれないけれど、
小さい、硬い、思ったほどはおいしくないと感じていました。

「道路も多いし、鉄道も多いし、緑は少なくて空気も汚い。
 そんなところで育つ野菜なんてさぁ。」くらいの
ガッチガチのネガティブモード。

そのイメージが変わるきっかけになったのが
世田谷区の農家さんたちが作る
野菜や果物を農家の直売所で買い始めた時からなんです。

特に驚いたのが、京王線と、小田急線のちょうど真ん中辺りの
住所だと、千歳船橋か、経堂になるのかな?
そこで栽培されていた有機りんごだったんです。

怒られそうですが、あえて正直に書きますと、
青森、長野のりんごの方が甘くて香りが高く美味しい。
けれども、世田谷のりんごもちゃんと美味しかった。
シャキッとした歯応えと、さっぱりとした甘み、
噛むと弾ける香りは、一瞬だけども思わず”あっ”と思っちゃう
弾ける爽やかな香り。

おそらく、水の質とか、乾燥傾向にある気候とか道路による地面の振動とか
悪条件満載の中にあって、
水分のみずみずしさは控えめで、粒も同じ品種からしたらやや小ぶりだけれど、この条件下にあって、このクォリティは私に強烈な印象の爪痕を残しました。

それからというもの、土曜日の早朝は自転車で世田谷区の産直をめぐり、
土日は子供達に野菜満載の料理を出すという日々を送ります。

全員ではないですが、相手をしてくれる農家さんとは
なるべく話をするように心がけ、
その中で世田谷の農家さんたちの取り組みや挑戦の活動を知ることになります。

その後体調を崩したりして産直巡りはできななくなるのですが、
世田谷の農家さんたちの挑戦は千歳烏山にある
JA東京中央ファーマーズマーケット千歳烏山で実感することができます。
世田谷の南の方へは行かないので、南の方はどこにあるかわからないけれど、品質が飛び抜けて良いのは、多種類あるジャガイモ、大根系は白色、赤、紫などの全ての品種、白ネギですが、中なりの茄子や、新品種のナスもおすすめです。あと、ほうれん草かな。時々すごいのが出る。

三鷹プライド、市の推しはキウイだけど

三鷹は農家勢力がすごいらしいというのが20年くらい前に
別の自治体の人から聞いた噂です。

確かに三鷹は農地が多くてそれだけでもびっくりしてしまいますが、
産直の野菜は飛び抜けて美味しいわけではない印象でした。
キウイはほぼ食べないのでごめんなさいですが、
銀杏に関しては以前からものすごく愛用させてもらっています。

その印象が徐々に変わってきて、今、三鷹野菜の品質は特化型に変わりつつあるように思います。
例えば、きゅうりの先生がおられるように、一部の地域のきゅうりはずば抜けて美味しいですし、別の農家さんではじゃがいもがこれまたずば抜けて美味しい。しかも、美味しさについては産直所の規模で判断できないというところが面白い。
葉物は普通なのに、花芽になったらびっくりするほど美味しい農家さんもあれば、どれも等しく高品質な農家さんもある。
だけれど一つ言えることは、とにかく市内の農家さんでレベルの差が激しいこと。

世田谷区のような一体感はなく、向上心のある農家さんだけがどんどんレベルアップしているという感じです。
世田谷よりも作付け面積や環境も良いのに、ここまでばらつきがあるのを見ると、農業というのは向上心と情熱がものすごく必要なんだなと感じます。

良い意味で、見た目で土の良し悪しを判断できるようになったのは、
三鷹の農家さんのおかげでもあるんですが。

武蔵野、西東京地区は底がしれない

ここ近年、メキメキと品質を上げてきているのが、
武蔵野、西東京地区のこの地区の農家さんたちで、その情熱は底がしれません。
作付け面積の広いだけあって、確かにブランド化してもなんの違和感もないほど野菜の質も、大きさも、味も、そして種類の多さも頭ひとつ抜けてきている感じがします。

まとめて西東京地区としますが、西東京地区は東京という地の利を活かし、
野菜のトレンドをうまく掴めている気がします。
それは、外国系の野菜や新品種を栽培するというだけでなく、伝統野菜や生育の良かった野菜も満遍なく作るけれども、その割合に過度な偏りが出ないように配慮しているように思えます。ちょっと言い過ぎかな。

戦略はもちろんですが、おやっと思ったのが、やっぱり土。
西東京地区の多くの畑の横を通ると、森の香りとまでは行かないけれど、
土の良い香りがしますし、
道と畑の間に2〜3件の家があってもその土のいい香りが漂っていて
近くに畑があるのがわかるので、その匂いを辿って産直が探せるのは
よく考えたらすごいことかもしれません。
そういえば、武蔵野や西東京は昔から落ち葉堆肥に関して
並々ならない情熱を持っていたような….。

例えば、地元野菜を求めていろいろなスーパーに足を運ぶのですが
遠くから見ても「あれ、なんかいい感じの野菜があるな」
と思って陳列棚に近づくと、西東京地区の野菜だったということが増えてきています。

自分は何で判断しているのだろうと思い返すと、
遠目の方がよくわかる、ハリとかツヤの大まかなディテール。
近づいてみた時の、これもハリツヤと香り。
わずかに残る土の粒…なんか丸っこくてベタってしてない感じ。
伝わるかなぁ。

あと、野菜の扱い方の丁寧さかな。

同じビニールに野菜を詰めていたとしても、
某市の産直野菜は野菜がふっくらしていないからか、
入れ方が雑だったり、買う気が起こらないことが多い。
某市の野菜の品質が悪いのではなく、
野菜に対する本気度とか、情熱とかに関して
西東京地区や世田谷の方が思いがものすごく熱いからなのかもしれません。

結論、東京野菜はすごいことになっている

実は冬の間
野菜は地方のから進出したマルシェで買っていたんです。
主に産地は群馬、埼玉だったかな。
安くて量が多くて新鮮で美味しし、珍しい野菜も置いているのでお気に入りではあるんですが、最近ちょっと品質にばらつきが出てきているんです。
ちょうど三鷹の農家さんのように、極端に良いものと、普通のものが混在している感じ。
なので、平日はスーパーで野菜を買う日も出てきました。
土曜の野菜の買い出しも、東京野菜が出回るようになってからは行ってないかも。

質が落ちたわけではないと思うけれど、むしろ、やはり、東京野菜がすごくなってきているとしか言いようがない。

農業に関して、土づくりに関して、むしろ東京だからこそいろんな研究が盛んに行われているのかもしれないと思います。
セオリーはセオリーとして受け入れることも必要だけど、
セイリーが万物の正解と考えるのはやっぱり違うってことかもしれません。
今日の常識は明日の非常識、坂本龍馬も教科書から消えるらしいし、
鎌倉幕府開闢も1192年じゃなくなってきているらしいし。

目に見えて進化する東京野菜たちに眼が離せません!

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