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新人理学療法士が知っておきたい半月板の基本的情報

はじめまして!!
理学療法士の前です

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今回はnote初記事ということで
noteについてまだよく分からないですが、
これから少しずつnoteにて発信していけたらなと思います!

第1回目の記事は・・・

新人理学療法士が知っておきたい半月板の基本的情報

についてです!

僕自身半月板やACLは大変興味がある分野であり、
勉強内容の中心となっている分野でもあります。

国家試験レベルの半月板の知識だけでは、
半月板の術後リハビリにおいてリスク管理を
行うのは難しい
と考え今回記事を書くことに至りました!

自分の知識の再構築になりますし情報を共有・アップデートすることは僕自身にとっても喜びなので興味がある方は読んで頂きたいです。




①半月板の構造(基礎編)

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まずは半月板の構造から説明していきます。

半月板は72%が水ら28%が細胞外基質や細胞などの有機物です。

その細胞外基質にはコラーゲンやプロテオグリカンが含まれら半月板の粘弾性や抗張性に寄与しています!

・半月板辺縁部はコラーゲンⅠが80%を占め張力を抗する構成

・中心領域はコラーゲンⅡとプロテオグリカンの割合が高く圧縮力に抗する構成

半月板は辺縁部と中心領域で構成する組織が異なり、各領域で半月板に加わるストレスを分散・軽減しているということですね。


また、半月板のコラーゲンは3層構造を成していて、表層から

・superficial network
・lamellar layer
・central main layer

と呼ばれています!

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半月板の大部分を占めるcentral main layerは、コラーゲン線維の円周方向の配列を有しており、圧縮負荷を分散する構造になっています!



国家試験でも習いますが、半月板は内側(MM)がC字型で外側(LM)がO字型ですよね。

移動量:LM>MM
円周長:LM<MM

MM
後角には半膜様筋腱の複数ある停止腱の1部が後斜靭帯や後方関節内などを介して付着

LM
後角には膝窩筋腱が付着

こうしてみるとMMの方が複数を介して付着しているのが分かると思います。

MMはMCLや後方組織との結合が多くあるためLMと比較すると比較的安定していると言えます。

・MM➡️前方不安定性のスタビライザー
・LM➡️前方・回旋不安定性のスタビライザー

この機能もあることも覚えておきましょう!

膝関節屈筋が半月板後方に付着することから、膝屈曲時には後方に牽引され、半月板が大腿骨と脛骨の間に挟まれることのないスムーズな運動が可能になります!



また、半月板には半月大腿靭帯と言われる靭帯が存在しています。

色々と説はありますが外側半月板後角からPCL(後十字靭帯)を挟むように、
Humphrey靭帯とWrisberg靭帯に分かれ、大腿骨内側顆に付着します。

これら半月大腿靭帯の両方が存在する確率は30~50%、
少なくともどちらか片方が存在する確率は90%と言われており機能としては
⑴FT関節の関節圧の分散への貢献
⑵PCL不全膝における後方安定性

などがあると言われています!

また、もうひとつ忘れてはならないのが半月横靭帯です!

この半月横靭帯は、LM前面の凸縁からMM前縁に付着します。

この横靭帯も必ずしも存在するという訳でもなく、55~94%と言われていますが研究によってばらつきがあるので明確にはされていません。

この横靭帯はあの膝蓋下脂肪体の深層に存在しています。

これを臨床的に考えると、

○膝蓋下脂肪体⇔半月横靭帯⇔半月板

膝蓋下脂肪体の滑走性や柔軟性が低下すると半月板の前方移動を阻害し伸展制限にもなるということですね。



②半月板の構造(血行・神経編)

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半月板の血行は内側外側膝動脈の上枝および下枝から供給されます。

これらの血管は、辺縁10~30%の範囲において豊富であり半月板の栄養供給を行っています。

血行は辺縁部で密、中心領域で疎あるいは無です

また、
・前角と後角の血行は豊富であるのに対して、膝窩筋腱周囲は血行が乏しい。
・半月板の血行は年齢によって違う。
・出生時は半月板全体に血流が存在するが、生後18ヶ月頃より辺縁1/3に限局される。50歳を超えるとさらに辺縁に限局した血行動態となる

これらを覚えておきましょう!

続いては神経についてです。

半月板には侵害受容器である自由神経終末と、機械受容器であるルフィニ小体、パチニ小体、ゴルジ腱器官が存在します。

神経は血行と類似していて、
辺縁部で密、中心領域で疎あるいは無です。

・Red-redzone(辺縁領域)➡️治癒成績良好
・White-whitezone(中心領域)
➡️治癒成績不良
・Red-whitezone(辺縁~中心領域)
➡️損傷形態によっては修復が望める


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前角と後角に血行および神経が多い理由としては、膝屈曲時の圧縮牽引ストレスが加わりやすい部位だと言われています!


③半月板の構造(運動学編)

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半月板で覚えておかないといけない機能は、
hoop strainです!

半月板は圧縮ストレスが生じると軟骨下骨に直接ストレスを伝えてないように、半月板の線維配列によって円周方向へストレスを分散する機能があります。

これがhoop strainです!

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損傷した半月板はこのhoop strainの機能が低下あるいは消失してしまいます。。

縦断裂ではこの機能に大きな影響は及ぼさないですが、横断裂で著名なhoop機能低下に繋がります。

超基礎的な内容になりますが、半月板は脛骨大腿関節の運動によって運動を行います。

屈曲すると➡️後方移動
伸展すると➡️前方移動

深屈曲ではMMは脛骨プラトーに乗り上がり(lift off)、LMは後節ごと脛骨から滑り落ちるようになります。

それだけ深屈曲ではLMの運動量が必要ということですね。

ですが、LMでは過可動性を認める場合もあるので興味がある方はこちらの記事をチェックしてみてください!
http://reha-sports.net/2019/10/09/hypermobile-meniscus/

④半月板損傷の分類

半月板損傷は大きく3つに分けられます!
①vertical tear
②horizontal tear
③compex tear

①のvertical tearの中にradial tearやflap tearが含まれています!

半月板損傷で1番難渋すると言われているのが、
LM中節のradial tearです。

もしLM中節のradial tearの患者さんが来たら術後はしっかりとプランをたててリハビリを進めていく必要があります。

縫合なら再断裂のリスクも高いので注意が必要です!

また、半月板ではdiscoidと言われる円盤状の半月板を認めることがあります。

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このdiscoidでは、半月板特有の円周方向の配列がないため(hoop機能)、疼痛やlocking・catchingなどの症状が特徴ですが、無症状のまま生活をしていることがあります!

無症状の場合でもスポーツ活動などの膝への外力が加わることで損傷してしまったり、加齢に伴う変性によって症状が出現する場合もあります。

incomplete typeとcomplete typeに区別されLMで多い傾向です!


半月板損傷の重症度分類としては、MRIでのMink分類が有名です!

gradeⅠ:半月板内に無信号で均一の低信号を示す。
gradeⅡ:半月板内に斑状の異常高信号がみられるが、間接面まで達していない。
gradeⅢ:半月板内に線状の異常高信号がみられ、関節面まで達しているもの。
gradeIV:半月板内に様々の形の高信号がみられ、関節面に達しているもの。

⑤術後リハビリのポイント

最後に、僕自身が意識している術後リハビリのポイントを紹介させて頂きます!

・炎症コントロールの徹底
・損傷部位、手術様式の把握
・膝アライメント
・ROM設定
・各種動作確認
・スポーツ復帰時期設定

これらを中心に術後リハビリを進めています!

各病院でリハビリの進め方や手術の方法は異なるので主治医の先生としっかりとコミュニケーションをとることが重要だと思います。

記事全体が長文となりダラダラ書いてしまい読み辛いかもしれませんが、note初投稿ということで少し大目に見ていただけると幸いです。

最後まで読んで頂きありがとうございました!





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