手抜きせずドッジボールで子供と楽しく遊ぶために

母校の大学に講義で呼んで頂きました。精神保健福祉士の実習の前に、現場の人の話を聞く、という趣旨です。

感想の中で、ボランティアに行って「子供とのドッジボールで本気でやってほしいと言われ、本気でやったら負けた相手チームの子は泣いてしまった」という経験を書いてくれた学生がいました。とても良い事例です。

ドッジボールというゲームの構造をアセスメントしてみましょう。

ドッジボールは
a.相手にボールを当てる
b.相手にボールを当てられないように避けるか受け止める
2つの要素から成り立っているゲームだと言えます。

aに着目したハンデは、「大人が子供に当てにくくする」ことを考えることになります。
・大人が相手をアウトにできるのは胴体のみ
(手足頭は当ててもアウトにできない)
・大人は避けるだけで受け止めることができない。味方からパスを受けたときだけ相手に攻撃できる。
・外野から投げられるラインをコートより外に設定する
・大人は「1,2,3」とカウントしてからしか投げられない
また、避けたほうがいいのは
・子供は2回まであてられてもok
でしょう。回数の管理が大変になってしまいます。

bに着目したハンデは「子供が大人に当てやすくする、大人の動きを少なくする」ことを考えます。
・大人がコート内で動ける範囲を狭く設定する(相手コートに近い半分だけ/中央に大人のみエリア)
・(保育園レベルなら)片足を最初から最後まで動かしてはいけない
・子供だけが触れる色の違う2個目のボールを使う。(大人は避けるだけ、大人はこのボールのパスももらえない)

ゲームを通してコミュニケーションを學ぶ

これらのルールの組み合わせで子供と大人の有利不利のバランスを取ることができます。そして、これらのルールを子供と一緒に考えられたらどうでしょう。「ハンデをつける技術」を身につけた子供は、そうでなかった頃よりも、相手の状況を察する力、関係性を調整するコミュニケーションの技術が上がっていると思うのです。

私は1歳から10歳まで父親が務める会社の社宅に住んでいました。そこには4世帯が入居しており、そこの子供たち7~8人でよく遊んでいました。上から下まで10歳程の年齢差があり、小さい子も含めてどうやったら楽しく遊べるか、という事を自然に考えながら遊んでいました。鬼ごっこであれば小さい子は3回まではタッチされても鬼にならない、などです。

いまはそういう経験をする機会が減り、大人が意識して自分と異質な人や物に関わる機会を作る必要があります。いわゆるダイバシティー教育ということですが、その際の調整もソーシャルワーカーがその専門性を発揮できる場面です。

質問してくれた人が読んでくれてるといいなあー。
おわり。

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