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「私の繭よ。」と有栖川有栖が語ったように

小学校6年間、所謂「ぼっち」だった私はいまだに人との接し方がわからない。(ただし中高一貫校でできた親友は除く)

初めてアルバイトをしたとき、先輩と何を話せばいいのか分からなかった。結局、うまくいかない人間関係に苦しんで1年で辞めた。大学でできた友人を誘う「遊び」のレベルが分からなかった。ウィンドウショッピング? ランチ? ラウンドワン? 女子らしい遊びをしてこなかったから、振り返ると厄介な遊びの提案をしていたに違いない。新しいアルバイト先の社員さんとどんな距離感で接したらいいか分からなかった。2年かかって、ようやくまともな会話をすることができた。

人見知り、コミュ障、引きこもり、あがり症……。典型的なオタク女子(偏見ではない)の全てを兼ね備えた私自身の性格には、ほとほと呆れていた。いっそ、記憶引き継いだまま強くてニューゲームでもできたら、少しはまともな人生を送れるのでは。どう考えても妄想が過ぎる、こんな考えをしたのは1回や2回ではない。今だって、初対面の人と話すのは胃が痛むし、沈黙が落ちると顔に血がのぼる。如何しようもない、これは私の生来の性格なんだ。諦めるわけでは無く、そうであるという事実を受け止められるようになったのは、この1年。

それに気づいたきっかけやらなんやらは、きっと人によって感じ方は違うので仔細は省く。事実だけを書くと、2017年の海外留学が大きかった。1ヶ月で人はああも変わるのかと、自分自身驚いた。ともあれ、気づいてからはポジティブに生きることにした。マイナス面は如何しようもないんだから、どうにかなる部分ぐらい、ちゃんと前向いて向き合おうと思ったのだ。まあ、油断したらすぐやらかす人間なので、いまだに勝手にナイーブになって胃を痛めているけど。
アルバイト経験と就職活動を経て、22年。やっとここまでたどり着いた。今後、社会の荒波に揉まれ、いろんな人と関わって、たくさんの価値観や思想に触れて。どうなっていくかは、まだ全く不透明だし、分からないという事実にさえ恐怖を感じる。

けれどまあ、何とかなるだろう。ポジティブシンキングは、しばしば楽観的で思慮の浅い人間だと馬鹿にされることもあるけれど。私にとってのポジティブは、人見知りで、コミュ障で、引きこもりで、あがり症な私という本質を包み込んでくれる繭なので、彼女(彼?)には最大限の敬意を払っている

ありがとうポジティブ、貴方のおかげで今日も何とか生きてけてるよ!!

2019/12/08
たん