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猫と小説と珈琲が好きです。 小説は日本文学や村上春樹作品を好みます。 読んだ小説の感想…

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猫と小説と珈琲が好きです。 小説は日本文学や村上春樹作品を好みます。 読んだ小説の感想や備忘録、日記として使っていこうと思ってます。

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記事一覧

村上春樹 ノルウェイの森

哀しい愛の物語。みんな愛に飢えていた。緑と直子の三角関係、僕はどうすればいいか。考えた先の答えとは。

neco_sukicute
4か月前

一人は本当に楽だよ。煙草を吸う渡部の言葉は灰になった煙草と共に虚しく宙に舞う。彼女が出来たから煙草を辞めた僕と、彼女が出来なくて煙草を辞めない渡部はまるで違う惑星の住人のようだ。彼は就職と共に上京して変わってしまった。

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4か月前
1

尾崎世界観 母影

いつもお店でカーテン越しに見える母の姿。母は何か良くないことをしている。小学生の「私」から語られる物語は、小学生が認識している数少ない語彙で表現されており、比喩…

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5か月前

村田紗耶香 コンビニ人間

小さな光の箱 、コンビニエンスストアで18年間アルバイトとして勤務する古倉恵子は合理的で機械のようなコンビニ人間である。彼女は昔から世の中の「常識」が分からない。…

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5か月前
1

村上春樹 ねじまき鳥クロニクル第1部~第3部

政治や大衆に潜む悪と善のお話。主人公オカダトオルを取り巻く物語が過去と現在、複雑に絡み合った個性的な登場人物との出会いによって少しずつ進んでいく。ねじまき鳥とは…

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6か月前
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村上龍 限りなく透明に近いブルー

中学時代、国語の教科書で芥川賞作家についていたのを思い出し、購入。しかし題名と知名度からは想像できないグロテスクな内容だった。主人公のリュウは薬物漬けの日々の異…

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6か月前
1

村田紗耶香 殺人出産

書店に並んでいた文庫本の作品名のインパクトと表紙の面白い絵に惹かれて購入。短編集。特に殺人出産はグロテスクなのだけれども美しいそんな不思議な世界観の作品だった。…

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6か月前

谷崎潤一郎 痴人の愛

私とナオミが知り合い、一緒に暮らし始める明治時代のラブストーリー。 ナオミは男遊びが酷い浮気性なのだが手放したくない私は何度も許してします。恋は盲目という言葉を…

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6か月前
1

川上未映子 乳と卵

名前を持たないこの作品の中の「私」が主人公ですらすらと進んでいくドラマチックな作品。3人の女性の心情がそれぞれしっかりと描かれている。名詞の比喩が独特で面白い。

neco_sukicute
6か月前
1

尾崎世界観 裕介

僕の好きなバンド・クリープハイプが出来る前のお話。 尾崎さんはぶっ飛んでいる。クリープハイプの歌詞以上に人間味があって面白い。軽く閲覧注意かもしれない。

neco_sukicute
6か月前

親知らずを抜いた。かつて、奴は私の左の奥に奇怪にも横向きで佇んでいた。空気が読めない奴だ。口の中は砂漠のように乾き、親知らずは私の口の中で悲鳴をあげていた。一時間の時が経ち、やっとの事で奴は私に別れを告げた。あれから2日経った今でも痛みにうんざりしながらこの文を書いている。

neco_sukicute
4年前
1

エアープランツ

neco_sukicute
4年前
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村上春樹 ノルウェイの森

哀しい愛の物語。みんな愛に飢えていた。緑と直子の三角関係、僕はどうすればいいか。考えた先の答えとは。

一人は本当に楽だよ。煙草を吸う渡部の言葉は灰になった煙草と共に虚しく宙に舞う。彼女が出来たから煙草を辞めた僕と、彼女が出来なくて煙草を辞めない渡部はまるで違う惑星の住人のようだ。彼は就職と共に上京して変わってしまった。

尾崎世界観 母影

いつもお店でカーテン越しに見える母の姿。母は何か良くないことをしている。小学生の「私」から語られる物語は、小学生が認識している数少ない語彙で表現されており、比喩や例えも独特だった。主人公目線で語られるが、どこか主人公には感情移入することが出来ず、小学生の知らない大人のきれいではない世界を知っている僕は後ろめたさが終始付きまとう。

村田紗耶香 コンビニ人間

小さな光の箱 、コンビニエンスストアで18年間アルバイトとして勤務する古倉恵子は合理的で機械のようなコンビニ人間である。彼女は昔から世の中の「常識」が分からない。そこには一種の不気味さもある。結婚していないことが異常といわれた彼女はある日、白羽という社会不適合者男と利害が一致することで同棲する。やがてコンビニのアルバイトを退職した彼女には生きる意味を見出すことが出来ず通りかかったコンビニで勤務してしまう。そこには狂気的な彼女の姿があり、常識にとらわれないコンビニ人間の姿があっ

村上春樹 ねじまき鳥クロニクル第1部~第3部

政治や大衆に潜む悪と善のお話。主人公オカダトオルを取り巻く物語が過去と現在、複雑に絡み合った個性的な登場人物との出会いによって少しずつ進んでいく。ねじまき鳥とは何か、電話をかけてくる謎の女性、戦争時代の満州での壮絶な物語。過去から現在に託された善に、奪われた妻を取り返すために必死に抗い続ける主人公の姿が印象的だった。

村上龍 限りなく透明に近いブルー

中学時代、国語の教科書で芥川賞作家についていたのを思い出し、購入。しかし題名と知名度からは想像できないグロテスクな内容だった。主人公のリュウは薬物漬けの日々の異常な日常を客観視していて最後に考え込んでいた事すべてが壊れてしまう。その時の眼下の景色はまさに限りなく透明に近いブルーであった。

村田紗耶香 殺人出産

書店に並んでいた文庫本の作品名のインパクトと表紙の面白い絵に惹かれて購入。短編集。特に殺人出産はグロテスクなのだけれども美しいそんな不思議な世界観の作品だった。殺人衝動を持つ姉と私を取り巻く世界でストーリーは進んでいく。10人子供を産んだら自分の嫌いな人間を1人だけ処刑してもいいという事が許された狂った世界線。少子高齢社会の日本、遠くない未来かもしれない。

谷崎潤一郎 痴人の愛

私とナオミが知り合い、一緒に暮らし始める明治時代のラブストーリー。 ナオミは男遊びが酷い浮気性なのだが手放したくない私は何度も許してします。恋は盲目という言葉を事細かに表現されていて二人の行方を読んでいくのが興味深かった。

川上未映子 乳と卵

名前を持たないこの作品の中の「私」が主人公ですらすらと進んでいくドラマチックな作品。3人の女性の心情がそれぞれしっかりと描かれている。名詞の比喩が独特で面白い。

尾崎世界観 裕介

僕の好きなバンド・クリープハイプが出来る前のお話。 尾崎さんはぶっ飛んでいる。クリープハイプの歌詞以上に人間味があって面白い。軽く閲覧注意かもしれない。

親知らずを抜いた。かつて、奴は私の左の奥に奇怪にも横向きで佇んでいた。空気が読めない奴だ。口の中は砂漠のように乾き、親知らずは私の口の中で悲鳴をあげていた。一時間の時が経ち、やっとの事で奴は私に別れを告げた。あれから2日経った今でも痛みにうんざりしながらこの文を書いている。

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