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アーモンド

アーモンド ソン・ウォンピョン

出版社 ‏ : ‎ 祥伝社

扁桃体が人より小さく、怒りや恐怖を感じることができない十六歳の高校生、ユンジェ。そんな彼は、十五歳の誕生日に、目の前で祖母と母が通り魔に襲われたときも、ただ黙ってその光景を見つめているだけだった。母は、感情がわからない息子に「喜」「怒」「哀」「楽」「愛」「悪」「欲」を丸暗記されることで、なんとか“普通の子”に見えるようにと訓練してきた。だが、母は事件によって植物状態になり、ユンジェはひとりぼっちになってしまう。そんなとき現れたのが、もう一人の“怪物”、ゴニだった。激しい感情を持つその少年との出会いは、ユンジェの人生を大きく変えていく―。怪物と呼ばれた少年が愛によって変わるまで。

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人っていうのは、自分たちと違う人間がいるのが許せないもんなんだよ。


本は、僕が行くことのできない場所に一瞬のうちに僕を連れて行ってくれた。会うことのできない人の告白を聞かせてくれ、見ることのできない人の人生を見せてくれた。僕が感じられない感情、経験できない事件が、本の中にはぎっしりと詰まっていた。それは、テレビや映画とはまるで違っていた。


自分の悲しみを人が一緒に悲しんでくれるのは嬉しいことだと。マイナス ×マイナス =プラスの原理だと言っていた。


人間を人間にするのも、怪物にするのも愛だと思う

惜しみない愛によって、精神的に満たされた人生をプレゼントしてくれた両親と家族に感謝する。平穏に過ごした成長期の中で受けた応援と愛、無条件の支持がとても有難くて貴いことなのだとわかったからだ。それが一人の人間にとってどれほど大きな武器になるのか、世の中を、何の偏見も持たずにいろいろな見方ができる力を与えてくれるのか、親になって初めてわかるのだ。

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作者のあとがきがとても印象に残っている。

無条件の愛を注いでくれた親からもらった優しさと環境は、大人になってとても幸せで恵まれたことなんだと親の偉大さを感じ、感謝するようになった。その愛がその支えがどれだけ生きていく上で、大きな武器になるか。世の中を何の偏見も持たずにいろいろな見方ができる力を与えてくれた。これほど大きなプレゼントはないかもしれない。そして、更に周りへ与え、この愛を次の連鎖に繋げる。良い連鎖を繋いでいくような生き方をしたいと思う。 

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