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私が思う『この部分のデザインが素晴らしい!』

第一回 書籍『私がこれを好きな理由』

表紙 シンプルだが、センスが光る

昨日とあるイベントで買った本。
ラジオ番組のZINE(Magazineのように大衆に向けたものではなく、あくまで「自分や周囲の人の視点や主張を、自由にカタチにしたもの」)。リスナーのメールをまとめたものです。

今回はデザイナーとして、デザインが素晴らしいな!と言える部分を言語化していきたいと思います。

❶シンプルな中にも技が光る
表紙が、タイトルと番組名のみ。
あとは、イベントのテーマカラーの『黄色』の紙色のみ。

タイトル字が、明朝とゴシック混合の書体、フォントが何種か混ぜてある。
印刷の加工も、ただスミでインクを乗せただけだと、紙がマット紙なので沈んでしまい白んだ印象になるので、ここだけ黒光りする印刷にしてある。

派手にしようとせず、シンプルにそこにある。
本の中にある、『リスナーさんの幸せな瞬間』だけで、価値がある。そう言っているように伝わる。思わず本を開きたくなる。

❷本文の字の大きさが大きめ

これは、意図が2つあるのかな?と
1.読者が主に「オバサン」であり、目が老眼
2.ラジオの読み上げるメール原稿の雰囲気

たぶん前者🤔
おかげで、すごく読みやすい!

字詰めがきれい。
ちょっと広めに字間がとってあるから読みやすい。
数字は2桁以上は半角にそろえてある、英字も読みやすいように単語によって全角か半角か使い分けてある。
あと、括弧の前後のアキが半角あけてあるので、強調したい言葉が見つけやすい。

私の場合、仕事の時はこのアキは詰める事が多いです。詰めないことに意図があれば、どちらも正解。

❸本文のページの下のマージンが広い

上のマージンより、下のマージンが倍?くらい幅が取ってあります。
膝の上や寝転がりながら見る時、本の下が服や毛布で隠れても見られるのが良い!
読まれるシーンまで考えられてる気がして、すごい洞察力!

❹紙の色、質感

ZINEなのでラフな印象、という事かも知れませんが、表紙は手触りサラサラの黄色いマット紙、中身はきなりの質感のあるマット紙。いずれも厚みがあり、重さがある。本に硬さがあり、開くのに力が要る笑
前段とあとがきは色の違う紙(黄色、紫)を使い、読者が視点を変えられるようになっている。
この紙は、インクが少し沈むので写真がそんなに綺麗には出ないけれど、ぼやーっとしてるのもZINEらしくていい。

❺リスナーのメールを『これがイイ!』と言えるセンス!

やはり、全てはここに尽きる気がします。
本の中のあとがきにもありましたが、
『好きなものは余裕がないと愛でられない』

まさにそれ!

心に余裕も持ち、自分の好きな物を『好き!』という。ここに、豊かさがあります。
このさりげない幸せを集めるだなんて、なんて贅沢なんでしょう。
忙しい毎日を過ごしていると、うっかり見過ごしてしまう小さな幸せ。大きな幸せばかり追いかけて、ないがしろになってしまうことも多々あるでしょう。

これを気づかせる媒体を思い付くなんて、ほんと!センスいいなと感動します。

#overthesun #ZINE #デザイン #デザインの言語化 #書籍デザイン


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