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宅地建物取引士試験合格までの道のり㉒

第2部 宅建業法⑤ 宅建業者が営業開始をするまで

その1 営業保証金について

§営業保証金の供託義務

宅建業者は免許を受けた後に、主たる事務所が所在する最寄りの供託所へ営業保証金を供託をしなければならない。※供託の目的として、宅建業者の取引先が損害を被ってしまった場合に供託した営業保証金から弁済をする事を目的としている。また、供託金の金額は下記の通りである。

・主たる事務所→1000万円を供託しなければならない。

・従たる事務所→1か所につき500万円を供託しなければならない。

供託方法は上記のように現金でもよいが、有価証券も認められている。ただし、有価証券での供託の場合には額面からのパーセンテージでの取扱いとなる。下記

・現金→額面100

・地方債証券、政府保証債証券→額面90%

・他有価証券→額面80%

以上となる。

§宅建業者の営業開始まで

宅建業免許取得→営業保証金の供託→供託した旨の知事への届出→営業開始

上記の流れとなる。注意事項としては3か月間で免許取得後から届出までをしなければならない。また、3か月間で届出がなかった場合には免許権者は免許取得者へ催告(義務)をしなければならない。催告後、1か月経過後も届出がない場合には免許取消し(任意)をされる事がある。

§新たな事務所の設置をしたら

事務所を新しく設置することになったら、主たる事務所の最寄りの供託所へ追加の営業保証金の供託をして届出をしなければ営業ができない。

§営業保証金の還付の意義と事後処理

還付要件として、宅建業者と宅建業の取引をした場合に限る。宅建業者との宅建取引に損害を被った者は宅建業者が供託した営業保証金から弁済となる。※宅建業者は還付を受けられない。

還付によって、営業保証金に不足が生じた場合には補充をしなければならない。流れとして

還付→免許権者から不足の通知→不足金の供託(通知から2週間以内)→不足金供託の届出(不足金補充から2週間以内)

以上となる。

§営業保証金の保管換え

事務所移転などにより、最寄りの供託所が変わった場合には営業保証金を新しい最寄りの供託所へ移さなければならない。その方法とは

現金のみ→以前の供託所へ保管換え請求し、新しい供託所へ現金を移す

・現金と有価証券→新しい供託所へ供託後に以前の供託所から取り戻す

以上の流れとなる。

§営業保証金の取り戻し要件とその方法

宅建業者が諸事情により、供託所から営業保証金を返してもらうことを取り戻しという。※不正行為による免許取消しでも取り戻しができる。

取り戻しの方法として、宅建業者が6か月以上の一定期間を設けて公告をし、期間満了しないと取り戻しができない。※公告とは債権者がいないかを確認する事である。

上記、例外があり直ちに取り戻しができる場合がある。下記

①二重譲渡(以前の供託所と現在の供託所、両方への供託)

②宅建業者が保証協会に加入

③取り戻しの原因が発生してから10年経過

以上の場合には、直ちに取り戻しができる。

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