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宅地建物取引士試験合格までの道のり㉝

第3部 法令上の制限② 都市計画法の概要②

その1 開発

§開発を行うためには

開発行為を行うためには許可が必要となり、行為そのものが開発行為に該当するか否かを基準に従って判断します。流れとして

開発行為に該当か否か→該当する場合、許可不要の例外か否か→例外ではない場合、開発許可が必要となる。それ以外は開発許可不要となる。

§開発行為に該当する行為

そもそも開発行為って何をすることなのか?下記

①建築物の建築

②特定工作物の建設

第一種特定工作物→コンクリート・アスファルトの工作物

第二種特定工作物→ゴルフコース・10000㎡以上の野球場・レジャー施設

以上の目的を達成するために、土地区画形質の変更をすることを開発行為と定義されている。

§開発行為許可不要の例外

先ほど一部触れましたが、開発行為には小規模開発と農林漁業建築物には許可不要の例外があります。下記

市街化区域→小規模と農林漁業で1000㎡未満は許可不要

市街化調整区域→小規模は許可が必要で農林漁業は許可不要

非線引き区域→小規模は3000㎡未満で許可不要・農林漁業は不要

準都市計画区域→小規模は3000㎡未満で許可不要・農林漁業は不要

都市計画・準都市計画区域外→小規模は10000㎡未満で許可不要・農林漁業は不要

※農林漁業建築物とは農産物貯蔵や加工の建築物は対象ではないので注意。

また、下記は無条件で開発許可は不要となる

公益上必要な建築物(図書館・公民館・駅舎・変電所)

非常災害による応急措置

事業の施行として行う開発行為

※①は学校・医療・社会福祉の施設は許可が必要なので注意。

国や自治体が行う開発行為は、国・自治体・知事の協議が成立したら許可とみなされる。

その2 開発許可を受けるまで

§許可申請

許可を受けるまでには次の段取りが必要となる。

事前手続きとして

①開発行為に関係する公共施設管理者との協議と同意

②設置予定の公共施設管理予定者との協議

③開発予定の土地権利者による相当数の同意※複数の場合

事前手続きが完了したら、次は許可申請となり

①必ず書面で行うこと(上記の協議や同意などを書面で提出)

②開発区域・予定建築物の用途・設計図書・工事施工者を明記した書面を提出

許可申請が完了したら、審査が始まり審査内容として

①用途地域の規制に適合か否か

排水設備の構造・仕様が適合か否か

③道路・公園・広場などが適地にあるか

給水施設の構造・仕様が適合か否か

⑤災害危険区域ではないこと

⑥申請者の与信

⑦工事施行者の与信

⑧環境保全がされているか

これらをクリアできれば許可となる。※許可・不許可のどちらの場合でも書面により通知しなければならない。

また、用途地域でない区域の開発行為の場合には知事は建蔽率・高さ・壁面位置・敷地・構造・設備に関する制限を決められる。知事は許可をしたら開発登録簿に登録して保管をする。また、誰でも閲覧できる。工事が完了したら、知事へ届出て検査をした後、問題なければ検査済証を交付し公告する流れとなる。

§許可後に変更などが生じた場合には

下記一覧

①内容の変更→知事の許可が必要

②軽微な変更→知事に届出

③許可不要な開発行為への変更→手続き不要

④工事廃止→知事に届出

⑤一般承継(相続など)→手続き不要

⑥特定承継(地位譲渡など)→知事の承認が必要

§公告前後の建築規制

開発工事完了の公告前後で建築規制がある。下記

公告前は原則、建築不可であるが例外がある。

①工事用仮設建築物

②知事が承認

③開発行為に同意していない者

公告後予定建築物以外は不可となる。例外として

①用途地域に適合

②知事が承認

以上が、建築規制となる。

§市街化調整区域での開発行為

先ほど少し触れたように市街化調整区域の開発行為においては小規模開発において許可が必要となりますが、農林漁業建築物は許可不要となる。

§田園住居地域での開発行為

田園住居地域では土地の形質変更・建築物・工作物を建築する場合には市町村長の許可が必要となる。※都道府県知事ではないので注意

その3 都市計画事業

§都市計画事業って何?

都市計画施設(計画的に都市施設を整備)や市街地開発事業(市街地を総合的に開発)を行うことを総じて都市計画事業という。

§都市計画事業制限の時期と内容

都市計画事業には大規模事業と小規模事業で制限開始時期が変わってくる。制限とは事業進行をスムーズに行う事が目的である。下記

大規模事業は予定区域決定の告示から開発許可の告示まで制限がかかる。

小規模事業は開発決定告示から開発許可の告示まで制限がかかる。

※事業地内は開発許可の告示以降に制限がかかる。

また、①都市計画施設の区域内・市街地開発事業の施行区域内、②市街地開発事業予定等区域、③事業地内では制限により許可の有無が変わる。

①建築物の許可〇 土地形質変更✕ 5t超の物件✕ 非常災害応急✕

②建築物の許可〇 土地形質変更〇 5t超の物件✕ 非常災害応急✕

③建築物の許可〇 土地形質変更〇 5t超の物件〇 非常災害応急〇

以上が制限の時期とその内容である。


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