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宮﨑駿は何をしたかったのか「君たちはDO生きるか」その2

◾️宮﨑駿が何をしたかったのか。それはジブリの歴史、宮﨑駿の歴史そのレリーフ造りではないか。

◾️映画版ナウシカ冒頭に映し出される古の神話、伝承がレリーフあるいはタペストリー(彫刻、刺繍)(あるいは絵画、言い伝え)がある。
あれをまさに宮﨑駿物語、ジブリ物語について伝承するための行為。それが映画君たちはどう生きるかではないかと。

◾️事実は事実として存在するが、語り部によって物語は変容する。これは宮﨑駿が語る宮﨑駿視点でのレリーフなのだ。

◾️物語が語られると、それはそのうち又聞き又伝えを繰り返し伝説化、神話化していく。それは好むと好まざるにかかわらずである。
そしてそれを楽しめるか。

◾️その過程にワクワクはしないか。風化し変容し元の形も不明のまま姿を現したレリーフ。
それを見たものはそこ何らかのに浪漫を感じるのではないか。(意味はわからなくとも)

◾️これは宮﨑駿か自分自身を、ジブリの歴史をネタに、後世に浪漫溢れるレリーフ造りをしたもの。つまりは宮﨑駿が好きなものに自らの物語、ジブリを落とし込んだものなのではないでしょうか。我々はレリーフが造られる瞬間に立ち会えた。そしてこの映画は今を生きる我々が死に絶え、次の次の次の世代に風化された状態で発見された時に真の効果を現すのだ。つまり今の評価などに意味はない。それがこの作品の物凄さだ。

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