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あいち航空ミュージアム~余計な「アリバイ工作」はいらない

〒480-0202 愛知県西春日井郡豊山町豊場林先1
0568-39-0283
【格付け】★★★★ー
【訪問時期】2018年10月

 県営名古屋空港内にある飛行機の博物館。YS-11を見に行った。

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 若い頃、路線によっては、ジェット機のフライトと、YS-11のフライトが共存しているところがあった。今から昭和末期の話だが、伊丹ー松山便によく乗った筆者は、ジェット便より値段が安いからということではなく、好きだったからYS-11の便を好んで乗っていた。そのYS-11の実物が展示されているのが嬉しい。久しぶりに再会できた。

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 実物展示されているものはYS-11を含め、国産機ばかりだ。今、アメリカに叩き壊された日本の航空機産業が復興し、MRJに結実されようとしているが、ここではその道程を感動的になぞることができる。
 世界の航空機の歴史を解説したパネルや模型の展示も、非常にわかりやすい。
 だが、ひとつだけ小言を。
 ゼロ戦の模型展示で、わざわざ、戦争だの平和だの特攻の悲劇だのという、お題目を掲示していることがひっかかる。
 確かに、何も書かねば馬鹿な連中に「ゼロ戦を展示するのは戦争賛美なのか」などと、小児病的に突っ込まれることを恐れてのことなのだろうが、そうだとしたらあまりにも皮相的だ。それならば、特攻隊員の国を思う気持ちが如何ばかりであったかを併せて展示しなければ、全く意味がない。
 そもそもここは産業史の博物館であって、戦争に至る歴史を詳しく学ぶところではないのだから、そういうことにアリバイ工作的に触れる必要など本当はないし、為にする批判など一蹴すればよいのだ。せっかくの博物館の展示が、あのパネル1枚で台無し…とまでは言わないが、とっても嫌な感じがしたのは確かだ。

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