(2)日本版帰化試験問題 第65問
【アメリカ市民権試験問題】
■第65問 憲法制定会議で何が行われたか。
(答) 憲法が書かれた、建国の父たちが憲法を起草した。
【帰化試験問題】
★第65問 立憲政治を約束された明治天皇の神へ誓いのお言葉は何か。
(答) 五箇条の御誓文
【解説】
アメリカの場合、建国の父や巡礼父祖に思いを致すことが最も古い歴史なのだが、時代が新しい為に、それは憲法起草と結びついている。
日本の場合、憲法は2千年の歴史の上に積み重ねられたものなので、建国のあと憲法の問題になるのは、いささか唐突すぎるかもしれないが、本稿はアメリカの市民権問題を参考に、日本の問題を作っているので、ご容赦いただきたい。
ここでは「五箇条の御誓文」について問うことにしよう。アメリカ軍が英語で作った憲法ではなく、外国のものを参考にしたとはいえ、日本人が日本人の為に作った大日本帝国憲法。そしてその憲法は、明治政府が、言わばマニフェストとして掲げた五箇条の御誓文で、既に立憲政治が約束されていたことに端を発する。
昭和天皇は昭和52年8月23日の記者会見でこのように述べられている(ウィキペディア日本語版「五箇条の御誓文」の項による)。
「民主主義を採用したのは明治大帝の思召しである。しかも神に誓われた。そうして五箇条御誓文を発して、それが基となって明治憲法ができたんで、民主主義というものは決して輸入物ではないということを示す必要が大いにあったと思います」。
将にそのお言葉の通りである。憲法制定は日本流の民主主義の発露であって、大日本帝国憲法が非民主主義であったというのは論理矛盾なのである。