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ちゃんとつながる! 日本の歴史の流れ~はじめに

 学校、特に中学で習う歴史は「通史」ですが、教えるべきだと思われることが抜けていたり、教える必要のないものを付け加えていたりしているので、歴史をひとつの「流れ」で理解することが難しくなっているように思えます。つながりが悪いので、どうしても事件や出来事を細切れで暗記してしまうので、歴史は面白くないと思っていた人も多かったと思います。本来、歴史は決して暗記物ではありません。高校日本史では少しマシですが、それでも、真実というか、ホンネを教科書に書かないために、理解しにくいのは同じです。しかも新しい学習指導要領では、ついに高校から通史教育が姿を消してしまうようです。
 私は大学院で近現代史の歴史教育内容論を研究しました。この教材では、その成果を踏まえ、「因果関係」を通じて歴史の流れを理解できるように意識しています。高校で日本史を選択していない人にもわかるように、中学の教科書の内容をベースに、高校レベルの知識を少し加え、1本の長い川のような歴史物語になるように工夫して作ってみました。1項目1ページという制約があるので、かなり端折っています。文化や制度には触れられていません。至らないところは多々あると思います。だからこれをもって完璧な通史教材というつもりはありませんが、歴史の大きな流れを理解するという目的で読んでいただければと思います。
 分量のバランスが近現代史に傾いているのは、中学校教科書の配列に準じているからで、もともとこの教材のベースは高校受験用のものだからです。また私自身の専門が、近現代史の教育内容論だということもあります。

 歴史を学びなおしたいという読者には、それなりに役に立つのではないかと思っています。

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