(2)日本版帰化試験問題 第11問
【アメリカ市民権試験問題】
■第11問 合衆国の経済システムは何か。
(答)資本主義経済。市場経済。
【帰化試験問題】
★第11問 我が国の経済システムは何か。
(答)資本主義経済。市場経済。
【解説】
これは、米国版と同じでいいだろう。いまだに完全に崩壊してしまっている社会主義に幻想を抱いているようでは、新国民としては困る。
ただ、アメリカに住んでいたころに感じたことなのだが、日本はかなり社会主義的に見えるところがある。オバマ大統領2期目の争点は、健康保険システムの構築を国民が許すかどうかだった。日本人にとって、社会保険は国家の重要な責務だと思うが、アメリカでは、それを自由の問題に帰結させようという考えが根強い。国民皆保険など自由の侵害だという訳だ。
社会保険のような最低限のセーフティネットはもちろん必要だが、ミニマムインカムなどという制度は、国民の労働意欲を阻害する。ましてや、外国人に生活保護を与えることなど、ありえない話だが、それを怪しむ人が少ないことには疑問を禁じ得ない。
すでに福沢諭吉は、結果の平等を批判していた。当然それは、市場の原理である競争を阻害し、政府のコントロールを招くからだ。
逆に、資本主義と自由、そして市場経済をどのようにコントロールし、国民に意欲を与えるのが政治の仕事だ。現状は、外国人にジャパニーズ・ドリームを与えるだけになってしまいつつある。
アメリカはアメリカで、2020年の大統領選挙を見ていると、社会主義をめざしている策動があるように見える。日本のメディアはその疑いすら報じない能天気さだが、社会主義の前には革命がある。すでにその革命が静かに進行しつつあると仮定してみることは、陰謀論に与することでもなんでもないことだ。