物書堂はいいぞ

はじめに

物書堂はいいぞという話です。

今回は作家の端くれらしく、執筆環境周りの話をしたいと思います。私は現在、iPadだけで書籍を書いております。拙著「剣と魔法とナノマシン第5巻」は初めてiPadオンリーで最初から最後まで書き切りました。
その時に使用していたテキストエディタはUlyseesという月額課金制のもので、そちらは別の記事で紹介しているので良かったらご覧ください。

そんでもって本題ですが、執筆時にはUlyseesと共に物書堂という辞書アプリを使用しています。語義が気になったり、誤用になってないか不安になったりする上、上手い言い換えが見つからなくて泣いたりしているので、大変重用しております。

物書堂とは?

物書堂は国語辞典・英和辞典・和英辞典・類語辞典など多種多様な辞書をひとつにまとめたアプリでして、それ自体のインストールは無料ですが辞書を購入しないと機能しません。辞書は装備しないと効果がないぜ。
私は現在、三省堂国語辞典(第八版)、ジーニアス英和大辞典、新英和大辞典、大辞林、日本語シソーラス、新明海国語辞典、類語新辞典、大辞泉、明鏡国語辞典、それと日韓辞典など、11冊ほどの辞典を購入しております。

集めれば集めるほど欲しくなります。

物書堂のここがすごい!

物書堂アプリの利点としては、

  • 一つの単語を串刺し検索できる

  • 辞書内で出てきた単語を更に検索できる

  • 前方、後方、完全一致、ワイルドカードを用いた曖昧検索などができる

といったものが挙げられます。

串刺し検索というのは、複数の辞書で同じ単語を引ける機能ですね。辞書ごとに説明がちょっと違っていたり、詳しさが違っていたりするので、見比べてみると理解が深まります。多分一番重用している機能です。

辞書を使ってると、知らん単語を知らん言葉で説明されてるって事態がたまにあります。そういう時、知らん言葉をそっと撫でるように選択すると、するっとその項目にジャンプしてくれます。
例えば、“曜変天目”について調べたらまず第一に“天目茶碗の一”なんて出るわけですが、私みたいな奴だとそもそも“天目茶碗”が分からない。なので、その単語を選択すると、さっとその単語で更に辞書を引いてくれる。なんなら青字でリンクが張られていることもあるので、ワンタップで項目へ飛べる。至れり尽くせり!

最後の曖昧検索も地味に便利です。うろ覚えの単語なんかをなんとかなーれの気持ちで調べる時とか。「〇〇歩き」となる言葉をざっと調べてみる、とかは普通の紙辞書だとなかなかできませんからね。電子だからこその利点と言えるでしょう。

それとちょっとしたテクニックですが、ネットサーフィンなんかで分からない単語があった時は、その文字をコピーしてからアプリを起動することで、自動で検索欄に入力してくれる機能もあります。iOS16からは他のアプリに文章をコピペする際にいちいち「ペーストを許可しますか?」という文言がポップアップしてくるので、設定で切っておく必要がありますが。

私の使い方

私はUlyseesを2画面(設定と本文)Split Viewで表示して、物書堂はSlide Overに待機させています。

こんな感じ。資料1:本文2みたいな画面分割で、たまにピュッと物書堂を出す。

ペタペタと書きながら、分からない単語なんかがあったらすいっと画面を撫でて呼び出して、サクッと調べることができるのが便利です。Slide OverにTwitterもあるから気が散りやすいのが玉に瑕ですが。

辞書が気軽に使える環境にあると、Twitterやっている時でもTLで流れてきた単語をサッと調べる癖が付くので、語彙ぢからを高めるのにも役立ってる……と思います。むしろ物書堂に依存して語彙力減ってるかもしれないけど。

物書堂は検索履歴も残りますので、「なんか前に調べたけど忘れちまったなぁ〜!」なんて単語も洗い出せます。私は最近、バルビゾン派が全然覚えられなくて何度も調べました。

バルビゾン は【—派】
一九世紀中頃のフランス風景画家のグループ。テオドール=ルソー・コロー・ミレーなど。パリ近郊のバルビゾン(Barbizon)に住んでフォンテンブローの森などを描いた。フォンテンブロー派。
大辞林 第四版
デジタル大辞泉
バルビゾン‐は【バルビゾン派】
19世紀中ごろ、パリ近郊フォンテンブローの森の一隅にある小村バルビゾンに滞在して風景などを描いた画家たちの総称。テオドール=ルソーやミレー・コローなど。フォンテンブロー派。
大辞泉

こんな感じで一項目ぱぱっとコピペすることもできます。

Split Viewを使えばnote記事執筆しながら調べられちまうんだ。

あと、物書堂はiPadだけでなくiPhoneでも使えます。というか画面UI的にそっちが前提かもしれません。検索履歴や辞書購入履歴なんかは同期されますので、どちらでも使うことができるのも便利ですね。あと、Apple IDが違っててもファミリー共有もできるらしいです。

おわりに

物書堂さんは新しい辞書がリリースされるたびにセールがされますし、毎年春の入学シーズンには大規模な割引セールがあります。まだ持っていない辞書としてジーニアスやら精選版日本国語大辞典やらがありますので、私もセールを虎視眈々と待ち構えているところです。

正直、物書堂は私が紹介しなくてもすでにだいぶ有名な辞書アプリだと思うのですが、本当に便利なのでぜひお伝えしたく本稿を執筆しました。みんなも一緒に辞書集めようぜ。

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