【SEO】Helpful Content Update(お役立ちコンテンツアップデート)とは?

簡単にまとめると

  • 検索ユーザーにとって役に立たない「SEOのためだけに作られたコンテンツ」の順位が下がります。

  • ページ単位だけでなくサイト単位で影響が発生します。

SEOのためだけに作られたコンテンツとは?
=読者がいない、検索エンジンからの流入獲得だけを目的としたコンテンツのことです。
 
実際に発表されたサーチセントラルブログで、どういうコンテンツやサイトが該当するのか詳しく説明されています。

  • 人間向けに作られたコンテンツではなく、検索エンジンからの集客を目的としたコンテンツ

  • 検索結果で上位に表示されることを期待して、さまざまなトピックのコンテンツを大量に作成しているサイト

  • コンテンツを作成するために大規模な自動化しているサイト

  • ほかの人が言ったことにあまり付加価値を付けず、ただ要約しているだけのコンテンツやサイト

  • 単にトレンドだからという理由だけでコンテンツを書いているサイト

  • 検索ユーザーの検索意図を満たしきれていないコンテンツで、なおかつそのコンテンツをみたユーザーは、自分の検索意図を満たすためにもう一度検索結果に戻って別のサイトを飛んで行ってしまうような、検索意図を満たしきれない情報不足なサイト。

  • Googleが好む文字数だけを意識して、ページを作っているサイトやコンテンツ

  • 専門知識もなく、とりあえず検索ヒットしそうだからという理由でニッチな分野に参入しているサイト

  • 答えのない質問に答えるということを約束しているようなコンテンツ

こういったSEO対策向けのコンテンツは最近増加傾向にあり、そしてこのようなコンテンツはGoogleを脅かす存在になりつつあります。
 
「アクセス数を取ればなんでもOK。とりあえず大量のコンテンツを作ろう」

そういったSEOのことだけを考えた低品質なコンテンツの多いサイトをGoogleは評価せず、順位を下げるのが今回のアップデートを行う目的になっていると思われます。

大規模な自動化を行っているサイトも下落調整のターゲット

また今回のリリース文の中で、自動化に対しても明言されています。というのも、最近はAIライティングが以前より一般化してきているためです。AIライティングとは、キーワードをAIに入力すると、それに関するコンテンツを何個も作成できてしまうものです。

AIライティングによって集客数を急上昇した事例として、「他の人はこちらも質問」の情報を取得し、その質問に対する回答をAIによって記事コンテンツ化しているものがあります。このサイトはわずか8ヶ月間で120万もの流入数を獲得していました。
 
「他の人はこちらも質問」というのは、Googleの検索結果で出てくるエリアの内容です。この情報をたくさん取得して、各質問文をAIに投げてコンテンツをとりあえず作成することで、120万件ものアクセス数を取っているようなサイトが徐々に表れてきています。
 
このような「専門性」も「独自性」もなく、なぜこのようなコンテンツを発信できるのかがそこまで確認できないようなAIライティングが疑われるサイトを、今後Googleは順位の下落調整の対象とすると思われます。
 
このようにSEOの対策だけを考えた空虚なサイトに対して、今回順位の下落調整が行われるものと思われます。
 

パンダアップデートと類似している

実は今回発表された Helpful Content Update と非常に似たアップデ―トとして「パンダアップデート」というものが2011年にも実施されています。
 
パンダアップデートは、11年前の2011年2月にリリースされたアップデートで、今回のHelpful Content Updateと同様に「ページの品質」を対象にしたアップデートです。パンダアップデートは最初に英語圏でリリースされ、翌年の2012年7月に日本語にも適用されました。
 
実は2011年当時も、Googleは大量の低品質なコンテンツに悩まされていました。低品質コンテンツが検索結果に常に表示されて、検索ユーザーの満足度を下げてしまわないようにパンダアップデートを行い、低品質なサイトやコンテンツを下落調整しました。
 
実際、当時のパンダアップデートがどれくらい影響したのかというと、アメリカの検索結果では全体の12%に影響したと言われています。このように、非常に大きな順位変動を引き起こしたアップデートということがわかります。
 
どういうサイトが影響を受けたのかというと「Content Farm(コンテンツ工場)」と言われるようなサイトが影響を受けたと言われています。とりあえずキーワードを決めて、ライン生産のように大量に記事を作るようなコンテンツ工場が当時はアクセス数が取れていたのですが、このようなサイトが大きく打撃を受けました。
 
この打撃を受けた代表例としては「Demand Media(デマンドメディア)」という会社です。この会社はパンダアップデートのリリース前に上場を果たしたメディアサイトですが、アップデートとアルゴリズムによる変更によって大きく順位を下げ、アクセス数を減らし、収益を減らし、株価にも影響してしまいました。今回も、これに近い変化や変動が発生すると思われます。
 
また、パンダアップデートでは、コンテンツの品質と合わせて「Doorway Page(誘導ページ)」というものにも影響したのではないかと言われています。この誘導ページとは何かというと、ユーザーのためだけでなく、検索エンジンを意識した集客ページのことです。今回のHelpful Content Updateが対象としているページや記事と似ていますね。
 
誘導ページとは何かというと、 /lp/東京都渋谷区.html、/lp/東京都千代田区.html、/lp/東京都武蔵野市.html ~ といったように、URLの一部分だけを変えるなどして、地域名の掛け合わせによる検索流入をとるために量産された本サイト誘導用のLP(ランディングページ)群です。
 
こういったSEOのハック施策が以前は流行っていたのですが、パンダアップデートによってこういった自動化されたページに対しても下落調整が発生したと言われています。こうしてみると、パンダアップデートとHelpful Content Updateは非常に似ていますね。
 
パンダアップデートは日本語適用までに1年ちょっとかかりましたから、今回のHelpful Content Updateも、日本ではもしかしたら1年後にようやくリリースされるのかもしれません。
 

アップデートの仕組みも言及されている

今回発表されたHelpful Content Updateのリリース文の中には、「アップデートの仕組み」についても言及されています。その内容によると「価値の低いコンテンツ」「検索ユーザーにとって有益でないコンテンツ」を自動的に識別するようです。
 
全体的に役立たないコンテンツが比較的多いと判断されたサイトは、検索で良い結果を出せなくなる可能性があります。そのようにして特定されたサイトは、数ヶ月間にわたって調整シグナルが適用される可能性があります。
 
つまり...
 
①どのコンテンツが良いか/悪いか、という判断は自動的に行われる
②悪いコンテンツが多いと判定されると、順位を下げる調整が行われる
③数ヶ月にわたってこの調整は持続し、順位をすぐには戻せない

 
ということになります。
 
検索ユーザーにとって「ためになる情報」という視点で色々な改善をし続けることで、ようやく調整シグナルが外すことができます。下がってしまった順位を回復するには改善期間+数ヶ月という長い時間が必要になるでしょう。
 
以上のことから、Helpful Content Updateのターゲットに指定されると、長きにわたってSEOに苦戦することになりそうです。つまり、今まで以上に低品質コンテンツをサイト内に置いておくことのリスクが非常に大きくなるというわけです。
 
また、今回のリリース文の中でも「役に立たないコンテンツを削除すること」で、他のコンテンツの順位が上がる可能性があることも言及されています。
 
ただ、何をもってこのコンテンツが役立つか/役立たないか、を判断するのかは明言されていません。ですから、今回のアップデートの発表を受けて、慌てて直ちにコンテンツを削除するのは、もしかすると早すぎるかもしれません。
 

どうするべきか

信じられるやり方のひとつとしては、Google公式の4つのガイドラインと照らし合わせるのが良いでしょう。
 
①質の高いサイト作成ガイダンス
②商品レビューアップデート
③コアアップデート
④検索評価者ガイドライン

どういったコンテンツが影響を受けるのか/受けないのかは、まだ憶測にすぎませんが、このアップデートは英語圏で先行してリリースされるため、日本のサイト運営者はその状況を見て見定めるのがよいと考えます。
 
8/22(月)に英語圏でリリース後、最初の2週間でリリースが終わるようですので、本日9/5(月)現在には既にその影響がみられるのではないかと思われます。

リリース文の中では「オンライン教育や芸術、娯楽、ショッピング、技術関連のコンテンツ」に関する結果を特に改善すると書かれていますので、関連キーワードの検索結果の動向に注目するのもよいでしょう。
 
 


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