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【エッセイ】誰も読まないけど。

——変わらない。何も変わっていないのだ。
卒業から4ヶ月も経てば、大学生は社会人もどき程度にはなるものだろう。それがどうだ、私は。働く時間が長くなったこと以外、何も変わらないのである。

 責任感は希薄、実力が無いのに志しと態度だけやたらデカい、仕事中は週末の楽しい予定のことで頭がいっぱい……。有り余るバイタリティは明後日の方向にふわふわ飛んでいく。業務にも上司にも全く目が行かない。という目も当てられない状況なのである。少年よ、大志を抱く前に、態度を改めろ。

 驚くほど朝が苦手なところも俗世間の大学生と変わらない。陽当たりの良い部屋に住んでいるが、その朝日は望んでいないのだ。
 目覚ましが鳴り、眠い目をこすって、目元だけ赤くしてまた眠る。夢の中では大金を稼ぐ私がいて、覚めれば遅刻しそうな私。ふと気がつけば家を出る時間。恐らくこの調子でいくと、さっき見た夢は一生夢のままであろう。そして、先輩に小言をぶつけられながら働いて、面倒くせぇと同期に愚痴って、結局週末の予定と連休の旅行しか考えないのだ。

 もし、この日記を読んでくれる人がいたなら一言だけ言いたい。君は私より確実に偉い。人生朝露の如し。生涯は儚く短いのだ。その中で責任感と自制心を少しでも携えながら生きる諸君は尊敬に値し得よう。そして、この文章に目を通してくれているだけで、君は私の生き甲斐なのだ。ありがとう。     

 死んで花実が咲くものかと言ったりする。生きてこそ良いことがあるのだ。そう思う私は、花が咲くことも実がなることも全く期待されていないのに、粘り強く、この世にこびり付くかの如く生きているのである。ならば、読者諸君はより素晴らしい人生を謳歌できる。少なくとも私は、諸君らが花を咲かせ、何か素敵なものを実らせることを期待しているのだ。 

 ここまで言って誰も読まなければ、こんな言葉は誰にも届かず虚空に消える。消えるならまだしも、noteには残る。私が恥ずかしいだけなのである。しかし、それも阿呆には一興に思えるが……。
いるのかいないのか分からない読者よ、今日も共に頑張ろう。

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