「ひまそらあかね」の現時点での功績

2024年6月20日

さて、暇空さんは非営利活動を行う事業者たちの、特に公金を原資とした事業に関する不審点を厳しく追及し、たくさんの訴訟を並行して進めていることは皆さんもよくご存じだと思います。

一方、暇空さんの追及を受けて既に公的制度がかなり改善されていることは、相対的にあまり知られていません。

1、東京都の事業に関する改善点

  • 行政は一般の事業者に対して詳細な資料を揃えさせて、なるべく資金流用等が起こらないように補助事業や委託事業に取り組ませています。

  • 他方で、非営利活動を行う事業者は、それと比較するとほとんど証憑を整えずに補助金や委託金を受領していたというのが暇空さんの提起していた問題の一つです。

  • この問題について、東京都は既に一定の改善を進めています。

  • OPPさんが詳しくまとめています。

  • 実際の不正の有無は別にして、不正が起こり得るよくない環境であったことに間違いありません。

  • これが正されたことは暇空さんの功績であることは明らかです。

2、それ以外の事例

  • 東京都に限らず、国やその他の事業でも似たような傾向が見られました。

  • 暇空さんから派生した問題提起は様々なところへ影響を及ぼしています。

① 休眠預金活用事業の改善

  • 諸事情あって私が以前より問題視していた休眠預金活用事業は、資金効率を無視したドンブリ勘定や、世間的には利益相反と判断される行為等が横行している様子が見受けられました。

  • 暇空さんの追及で有名になった団体の事例は、特にその傾向が顕著でした。

  • 資金を配る団体の役員と資金をもらう団体の役員を同じ人物が務め、また審査委員を当該役員に近い人物で固めていたという点は驚きです。

えびすい(@ebyan2013)さん提供
  • また、助成金1億円で買ったアパートはかなりの高値買いであったという指摘もなされました。

  • 加えて、助成を受けた団体の義務であるガバナンスやコンプライアンスに関する規程の公開もなされていませんでした。

ちなみにこの団体の事例は当時のルールに照らすと、「利益相反とは言い切れない」「著しく高いとまでは言えない」ということで、休眠預金活用事業を統括するJANPIAが特に問題なしとの裁定を下しています。
JANPIAの判断を非難するのは自由ですが、本件でこの団体や当該資金分配団体を批判しない方がいいでしょう。
この団体や当該資金分配団体はルールの中で適切に事業を遂行しただけです。規程類の公開についても未履行に対する罰則が特になかったので問題にはならなかったようです。

  • 類似例は他にも色々とあるのですが、休眠預金等活用議連の議員さんたちの間では、特にこの団体の事例の関心が高かったと聞いています。

  • 結果、無意味に事業費が高額になりがちな不動産の購入は原則禁止、資金を配る側ともらう側に同じ役員がいてはいけない、規程類の公開義務を果たさない場合は一定程度の罰則を設ける等の改正がなされました

JANPIAの2023年度事業計画資料より
  • 十分とは言えないまでも、一定の歯止めにはなったと捉えています。

  • なお、詳細は下記の記事にまとめていますので興味のある方はご覧ください。

② 厚労省自殺防止対策事業の改善

  • この事業の改善点は色々とあるのですが、一番分かりやすいのは事業成果の重複報告ができなくなったことです。

  • ある団体は以前よりのり何故か別々の事業であるはずの東京都事業と厚労省事業を混同して成果報告を行っていました。

  • 成果は混同されているが経費は別途切り分けができているので問題ないというのが国や東京都の言い分ではありますが、非営利事業以外の分野では到底まかり通らない理屈です。

  • またそもそも論、東京都事業の成果はこの厚労省事業の成果で「水増し」されており、モデル事業が実際よりも過大に評価され、予算が倍増されて本格事業化されたこと等も適当だったか振り返る必要があるかもしれません。

  • この点について浜田議員を通して質問主意書等で指摘した結果、厚労省が内部的にルールを変えたことを確認できています。

  • なお、この「重複」は訴訟の争点の一つにもなっています。

詳細はこちら

3、まとめ

  • 上記事例はいずれも「問題はなかった」が「より良くなるように改善した」という体裁ではありますが、既に一定の改善がなされています。

  • 言い方は悪いですが、大きい声で大勢の人間が騒がなければ行政や公的機関は中々動きません。

  • 彼らが改善というアクションを起こしたのは、世間の耳目が集まったためであると私は思います。

  • そして、当然ながら「人々の耳目を集める」という点で大きな影響があったのは、暇空さんの存在です。

  • リツイートやコメントという直接のアクションももちろんですが、『ひまそらあかね』という存在が起こした、「不公正なことは正されるべきである」というムーブメントが、何よりの後押しになったと理解しています。

  • 世の中には不合理なことが色々とあり、それに悩んでいる方も多いことでしょう。

  • 暇空さんには本記事で紹介したような功績が既にありますが、その影響力がさらに拡大されるようなことが起きれば、自身が追及している問題に留まらず、色々な不合理の打破に波及するのではないかと期待しています。

  • ますますの活躍を願います。

  • あんまり自分の記事でこういうお願いをしたことはありませんが、皆さんどうかリツイート等で本記事の拡散をお願いします。

以上

変更履歴
6月20日 公開
6月21日 細かい言い回しや誤字を若干修正

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