パブリックリソース財団を資金分配団体とする他の休眠預金活用事業の公募・採択に係る不審点
12月23日
パブリックリソース財団が資金分配団体として公募した休眠預金活用事業の選考について、審査や選考体制等に問題があることは既に述べた。
加えて、2020年に公募があった『支援付き住宅建設・人材育成事業
≪休眠預金活用事業≫2019年度通常枠・ソーシャルビジネス形成支援事業』の公募や採択団体においても、利益相反が成立し得る不審な点があったので、公益のため当該記事を書いた。
事業の概要
事業の詳細は下記公募HPをご参照。
「生活保護者を囲い込むような悪質な貧困ビジネスが横行しているので、「住まい」と「生活支援」をセットで提供するソーシャルビジネスのビジネスモデルの構築を支援する」というのが事業の主旨のようである。
2020 年4月から5月にかけて公募が行われ、8月に採択結果が発表された。
8団体から公募があり、その内の3団体が採択されて、それぞれに55百万円前後の助成が行われた様子である。
(事業実施期間が2023年3月末までなので、一部未払いのものもある?)
審査委員と採択団体
以下が当該事業の審査委員である。
(余談だが、Colaboが採択された2020年度の助成事業の審査委員会とまったく同じ構成である)
以下が採択された3団体である。
採択団体の役員と関係のある団体による公募事業への関わり
下記の法人が広報や案件発掘への協力という形で助成事業の公募に関わっている。
上掲の通り、採択団体の理事長・理事が関わる団体ばかりである。
また、1つの採択団体の理事長と審査委員長とは、別団体の理事長・顧問という関係にあるようである。
利益相反について
Colaboの助成事業の件とは違い、案件の詳細が不明なので、採択された3件の助成事業が不適当なものであるかどうかは定かではない。
ただし、助成事業が適正であることと選考経緯が適正であることは別問題である。
まず、1つの採択団体の理事長と審査委員長とが、別団体の理事長・顧問という関係にあることについては適切ではない。どのような対応で利益相反を防いだのか、明らかにすべきであろうと思う。
それ以上に問題なのが当該助成事業に公募する団体の役員が広報や案件発掘を担う団体の役員を兼任していることである。
彼らは当然ながら他の当該助成事業に公募する団体とはライバル関係にあり、「広報・案件発掘の役目を果たさないこと」に対するインセンティブが発生してしまう事業構造になっている。
また、8団体の公募があったようだが、助成事業運営の一角を担う団体の役員が経営する3団体が採択されたという結果になっており、「関係者間で資金を分配した」との誤解が生じかねない。
一般論としては『このような事業構造になったこと』と『採択されたのが偶然助成事業の運営関係者が経営する法人になったこと』について入念な説明が必要であると思われるが、パブリックリソース財団の公開情報に当該記載はないようで、不審である。
本当に利益相反がなかったのか、上部団体のJANPIAや休眠預金活用事業を所管する内閣府にはよく検証してもらいたい。
参考
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