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顧客やメンバーの市場価値を高めることが自分の介在価値|私たちの職務経歴書 ~ 石黒 崇利

(本記事は、2022年7月にインタビューした内容をもとに編集しています。)

こんにちは!
マネーフォワード ビジネスカンパニー コミュニケーションデザイン室の塩原です。

私たちの職務経歴書」シリーズでは、面接の場でみなさんとお会いする社員のこれまでの経歴、マネーフォワード(以下:マネフォ)になぜ入社したか、今の仕事ややりがいなどをお伝えしています!

今回紹介するのは、カスタマーリレーション本部 本部長の石黒 崇利(いしぐろ たかと)さんです。

会計財務領域の知見が豊富で、全てを論理的に整理しながら組織を作る一方、Slackで特殊な絵文字を多用してチームを盛り上げるチャーミングな一面もある石黒さんが、これまでに積み重ねた経験や、マネフォでこれからやりたいことなどを聞いてきました!

マネーフォワードビジネスカンパニー
カスタマーリレーション本部 本部長

石黒 崇利(いしぐろ たかと)
日系会計システムベンダーで、連結会計やグループ会社向け会計システムなどの導入支援とソリューションセールスを経験したのち、外資系ERPベンダーでCPM(管理会計/連結会計)およびERP領域におけるアカウントエグゼクティブとしてエンタープライズ企業を担当。その後、日系コンサルティングファームを経て、2019年にマネーフォワードに入社。入社以来、中堅企業〜エンタープライズ企業向けのセールスやカスタマーサクセスを担当。クラウドERP本部 副本部長を経て、2022年よりカスタマーリレーション本部の本部長を務める。

ーー石黒さんは、マネフォ入社前もずっと、IT×会計の業界にいらっしゃいますよね。会計に関わるきっかけはなんだったんですか?

石黒:大学時代に簿記の授業があり、その後日商簿記検定を受けたのがきっかけです。

文系科目なのに数学に近い面白さを感じ、また、将来的には事業を起こしたいという気持ちもあったので、会社運営に欠かせないドメインである会計の勉強に興味を持ちました。そこで、大学在学中から会計事務所でアルバイトをしながら、税理士試験の勉強を始めました。

ただ、実際に会計の現場に入ってみると、記帳代行や紙の出力など、煩雑な手作業が多いアナログな世界だったんです。

会計の領域にはITが仕組みとして必要だと思い、会計業界向けのサービスを提供している会計システムベンダーに就職しました。

塩原:学生のころから会計領域に関心をもたれていたんですね。

石黒:入社後は上場企業向けのチームに配属され、連結会計システムの導入支援から運用サポートを担当しました。

その後、セールスに異動したのですが、実はあまりセールスはやりたくありませんでした。当時私の中でセールスのイメージは飛び込み営業だったんですが、そもそも自分自身が自らコミュニケーションを取りに行くのが苦手だったこともあり、できる感覚が無かったので抵抗があったんです(笑)

しかし、実際にセールスをしてみると、お客様が知らない情報を提供したり運用提案をしたりすることでも導入を決めてもらえたので、セールスも導入コンサルも変わらないと感じました。

塩原:石黒さんは、マネフォに入ってからもセールス部長を担当されていたこともあって、セールスのスペシャリストのイメージも強いのですが、苦手意識もあったんですね。

石黒:これまでの経験職種としてはセールスが一番長いのですが、得意かというと決してそんなことはないです。

塩原:8年ほど1社目の会計システムベンダーに在籍した後、次は外資系ERPベンダーに転職されたんですね。

石黒:それまでに経験していた制度会計だけでなく、会計での経験領域を広げるためにERPや管理会計に携わりたいと考え、転職しました。2社目では、エンタープライズ向けの提案活動やパートナー企業とのアライアンス構築など、ビジネスをスケールさせる経験ができました。

ここでの経験は今でも活きていて、特にこの時代にできた人との繋がりは大事にしています。さまざまなバックグラウンドをお持ちの社外の方々とお仕事ができて、みなさんその後のキャリアも多様で、いろいろと勉強させていただける関係が今も続いています。

塩原:3社目は日系コンサルファームに行かれたんですね。

石黒:一度プロジェクトマネジメントを経験してみたいという思いもあって、コンサルティングファームに入社して、ITコンサル部門の立ち上げに関わりました。

海外進出をされている企業様向けに連結経営管理体制構築や、海外子会社のバックオフィス構築などをご支援する中で、コンサルという中立な立場で、さまざまなベンダーのプロダクトに触れる機会になりましたし、そもそものコンサルの対応範囲の決定や、アライアンスの構築など、イチからスキームをつくるという経験もしました。

塩原:そうして社会人になってからマネフォ入社までの10年ちょっと、ずっと「会計×IT」業界の幅広い領域を経験されてきたんですね。

石黒:そうですね、役割としては、セールス、導入支援、ITコンサル(要件定義~PMO)、アライアンス、プロダクト企画などを経験してきました。

領域としても、連結/単体、制度/管理、国内/海外と、会計(及び会計周辺)の領域に携わってきて、「会計×IT」というニッチな業界の中で、幅広い経験をさせてもらってます。

同じ経歴の人には今までお会いしたことがないので、ある意味珍しい経歴なのかもしれません。

ーーマネフォに入社したキッカケを教えてください。

石黒:仕事を続けていく中で改めて自分自身を振り返ったときに、なんだかんだお客さんが好きだなと思いました。また顧客に向き合う中で、必要なソリューションを新しくつくっていくことも好きだと思ったんです。

なので最初は、自分で会社を作って自由にやってみるのもありだと思って、いつか起業することも視野に副業可能な会社として探し始めたのがきっかけです。

塩原:そこで出会ったのが、マネフォだったんですね!

石黒:はい、普通の転職活動としてエージェントに登録し、そこで副業可能な会社として紹介されたのが、マネーフォワードでした。

塩原:マネフォへの入社を決めた決め手はなんだったんですか?

石黒:マネフォに出会ったきっかけは、副業可能という働き方の柔軟さを知ったということなのですが、最終的に決め手になったのは、面接でお会いした「人」でした。

面接では、君島さん(現クラビス代表取締役社長 COO)や竹田さん(カンパニーCOO)、山田さん(カンパニーCSO)、そして代表の辻さんともお話する機会があったのですが、みなさん会計ドメインへの想いが強く、会計への理解が非常に深いのが印象的でした。

会計領域でほかにも何社か受けていたのですが、マネフォであれば会計に対する自分の思いもご理解いただいた上で、新しいコトが生み出せそうだと感じ、入社を決めました。

ーーマネフォに入社して3年経ちましたが、振り返るとどう感じますか?

石黒:事業の成長スピードが早く、組織のメンバーが大幅に増えました。中堅以上の企業をターゲットとしたチームは当初、ビジネスサイドは私を含めて2名でしたが、いまでは数十名の規模になっています。

また、いくつかの新しいプロダクトも生まれました。『マネーフォワード クラウド会計Plus』『マネーフォワード クラウド固定資産』などは、リリース前に数十社契約するという試みにもチャレンジしました。

塩原:プロダクトリリース前に受注するケースは、それまではあまりなかったですよね。

石黒:リリース前にお客さまに導入いただいた理由の一つは、早く売上をあげないとプロダクトとして成り立たず、結果的にお客様へ価値を届け続けられないという想いがあったこと。

そして二つ目の理由は、SaaSのプロダクトは永遠のβ版と言われる通りどんどん進化していくので、それなら正式リリース前でも後でも、ご提案内容としては同じだなと思ったからです。

プロダクトリリース前後はどうしてもバタバタしてしまうものなので、お客さまにお伝えしていた機能がしばらく追加されなかったり、導入支援体制が整うまでは私自身導入支援をしたりといったこともありました。

新しいプロダクト提供に関わるのは、大変な面もありましたが、気づきも多かったですね。

塩原:石黒さんは21年に上半期全社MVP個人賞も受賞されています。成果を出すために意識していることはありますか?

石黒:二つあって、一つは「ユーザーフォーカスを突き抜ける」ことです。

ユーザー自身が課題だと気づいていることの解決はユーザー自身でもできます。なので、セールスやカスタマーサクセスとしてやるべきだと思っているのは、ユーザーが認識していない課題を解決できるかどうかで決まると思っています。

そういう意味で、ユーザー以上にユーザーのことを知って、ユーザーフォーカスを突き抜けることを大事にしています。例えばバックオフィスのドメイン理解や、ユーザーの業界理解や、ITツール理解等です。

二つ目は「数字にコミット」することです。

継続的に顧客へ価値を届けるためには、価値を提供する側としてもビジネスとして成り立たせることが重要だと思っています。数字にコミットすることによって更なる追加開発もできますから、中長期的にお客様に価値を届けるという目的のためにも、数字へのコミットはつねに意識しています。

塩原:ちなみに、マネフォに入社してつまずいたことはありますか?

石黒:入社半年くらいは、受容性の高い人が多いし、みんないい人すぎて、逆に本心がわからなくて、つらかったんです。こんなにみんながいい人なわけがないと(笑)

それまでの会社では、意見の相違があったらぶつかって理解しあうのが当たり前だったので、少し物足りなく思ったりもしました。

でも、入社半年ほど経つと「本当にいい人たちなんだ」とわかりました。

ーーマネフォに入社して、ご自身の考え方で変わったことはありますか?

石黒:それまでは自分でやるか、アライアンスを組むかという発想でしたが、マネフォに入社してから自組織を強くしていくことの重要性を学びました。

例えば、クラウドERP本部に所属していた頃には、メンバーが簿記の資格を取得する取り組みを始め、簿記3級保持者は当初の20名から40名に倍増しました。簿記を理解することでお客様の業務への理解度が高まり、メンバーの市場価値を高める上でも役に立つと考えています。

塩原:メンバーの市場価値を高めることを大事にされているんですね!

石黒メンバーの市場価値を高めることがマネージャーの介在価値だと思っていて、簿記の資格取得をメンバーに推奨しているのも、その一環です。

塩原:ほかにも、メンバーの市場価値を高めるためにやっていることはありますか?

石黒:適切なフィードバックや評価をするように心がけています。そのためにはまずメンバーをよく知ることが大事です。例えば、各自の志向性やキャリアの方向性や、強み、弱みなどの特徴を学ぶことを意識しています。

その上で、会社としてグレード別の期待値等について、目標設定段階や月次で目線合わせしながら、フィードバックや評価をするようにしています。

なので、1on1はとにかく相手のことを知る時間にしています。ただ、最近は組織が大きくなって、チームメンバー全員と1on1で話すことは難しくなってきました。

塩原:どうされているのですか?

石黒:そこは、リーダーの方にお任せしています。

初めの頃は、普段直接関わることがない方の評価をどうしたらいいかと悩みました。リーダーから上がってくる評価をそのまま受け入れていいのだろうかと。

ただ、ある時から、リーダーがどういう情報をくれる人なのかを知ることによって、間接的にメンバーのことを知れるのだと気づいたんです。

それからは、リーダーの特性を理解することを大事にしています。コミュニケーションの間に人が入ると、どうしてもその人のフィルターを通った情報になりますから。

また、リーダー陣やメンバーによく話しているのは、市場価値を上げるためには、社内だけを向いていてはだめだということです。社外のお客様やパートナーさんとコミュニケーションを取ることでキャッチできる情報も多くありますし、視野も広がります。

ーー入社前にしてみたかったこと、実現できていますか?

塩原:石黒さんがマネフォを選んだ理由の一つが、副業できることでした。今副業はしていますか?

石黒:そこはですね、結局時間がなくてできていないです。

あとは、入社前に想像していた以上に、社内で新しい事業に携われているので、自分で起業しなくとも新規サービスに関わる経験ができてしまっているということも大きいです。

クラウドERP本部に所属していた時にはビジネスサイドのマネジメントの役割でしたが、新プロダクトの企画などでプロダクトサイドに関わる機会も多くありました。

マネフォだからこそ新しいプロダクトに投資できる人やお金のリソースがありますし、幅広く事業全体に関わる面白さをいまは感じています。

ーー今後、マネフォで実現していきたいことを教えてください。

石黒:マーケットに対しては、SaaSの恩恵を受けられていない事業者を減らしていきたいと思っています。マネフォのプロダクトを導入することで、お客様が本業に集中できるようになれば、お客様の市場価値もあがる。

一方、SaaSはカスタマイズができないために、導入するにあたってお客様は業務を変えていく必要があり、それがネックで導入できないことも実は多いんです。

そのため、まずは顧客の状況に合わせながら、マネーフォワードクラウドシリーズを丸っと導入してもらうパターンもあれば、これまでの業務をすぐに変更できない場合には周辺領域業務から導入していく流れを作っていくのもよいと思っています。そこでお客様側で成功体験をつかんでいただければ安心してお客様も広げていけると思いますし。

塩原:どのような方と一緒に働きたいですか?

石黒ユーザーフォーカスを突き詰められる方です。お客さん自身が知らない課題を特定して、解決策を考えて顧客をリードしていける仲間を求めています。

ーー最後に、石黒さんのプライベートについても教えてください!

石黒:休日は、健康維持のためにランニングしたり、パーソナルジムやゴルフスクールに行ったりしています。最近も、社外の人達とゴルフに行ってきました。ちなみにゴルフは今年から始めたばかりなので今必死に練習中です。

塩原:プライベートでもお付き合いのできる関係性を社外の方と持てているのは素敵ですね!

ーー編集後記

裏表がなく、つねに真っ直ぐな意見をいう印象のある石黒さん。

「ちょっと語弊があるかもしれませんが、人が怒っている場面って結構好きなんですよ、だって怒っている時はその方が一番大事にしていることや本心が分かるじゃないですか」という言葉からは、「本音の部分で人と深く付き合いたい」という、とても人間味のある部分を感じました。

だからこそ、メンバーのこれからの人生を思って「いかに市場価値を最大化させるか」に向き合う姿からは、マネージャーとしての優しさも垣間見えました。

カスタマーリレーション本部では、新しい仲間の力を求めています。ぜひ力を貸してください!