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課題解決型のチーム運営で、メンバーのできることにフォーカスしたい|私たちの職務経歴書 ~ 門田 海香

(本記事は、2022年7月にインタビューした内容をもとに編集しています。)

こんにちは!
マネーフォワード ビジネスカンパニー コミュニケーションデザイン室の塩原です。

私たちの職務経歴書」シリーズでは、面接の場でみなさんとお会いする社員のこれまでの経歴、マネーフォワード(以下:マネフォ)になぜ入社したか、今の仕事ややりがいなどをお伝えしています!

今回紹介するのは、SMB事業推進本部 カスタマーサクセス部 部長の門田 海香(かどた みか)さんです。

カスタマーサクセス機能の立ち上げから組織拡大までを牽引してきた門田さん。バリバリ働くビジネスパーソンから突如として青年海外協力隊に参加した経験や、マネフォに入社した理由、マネジメントへの想いなどを聞いてきました!

マネーフォワードビジネスカンパニー
SMB事業推進本部 カスタマーサクセス部 部長
門田 海香
2011年、大企業向けERPパッケージソフトを開発・販売する株式会社ワークスアプリケーションズに入社。会計開発部にて、主に既存顧客に対する情報発信を担当し、マニュアルの制作やセミナーの企画運営を行った。退職後、西アフリカのセネガル共和国でボランティア活動に2年間従事。
2019年、株式会社マネーフォワードに入社。主に中小企業をターゲットに『マネーフォワード クラウド』を提供する部署で、カスタマーサクセス部の立ち上げとオンラインセールスチームの立ち上げを行う。

ーーマネフォ入社前の経歴について教えてください。

門田:新卒で、大企業向けのERPパッケージを開発・販売する企業に入社しました。

実は、学生時代には教員になる選択肢も考えていたんです。ただ、大学4年時に1年留学し教職免許を取らずに卒業することとなったため、いずれは教師になるつもりで、まずは3-5年ほど社会人経験を積もうと就職しました。

短期間でも社会人を経験していれば、教師として教壇に立った時に「社会はこういうところだよ」と生徒に対して伝えられるとも思ったんです。ですので期限付きの社会人として、一番成長できそうな会社を就職先として選びました。

塩原:はじめから、期限を設定した上での就職だったんですね。

門田:就職後は、既存ユーザー向けのサービス企画などを担当していました。マニュアル作成や整備、お客様を集めて分科会を行うなど、今でいうカスタマーサクセスに近い業務です。

私は3年目くらいまで本当に仕事ができない人間だったと思うんです。入社後にはプログラミングが苦手なことに気づいて、開発から離れた仕事をするようになったのもそうですし、カスタマーサクセス的な業務を担当するようになってからも、先輩から「それってなぜなの?」と必ず聞かれて、答えられなくて落ち込んでいました。

でも、先輩や上長に当たって砕けて、フィードバックをもらってというサイクルを繰り返していくうちに、押さえるポイントを理解できるようになっていきました。ひたすら「なぜなぜ思考」を繰り返していくうちに、要素分解ができたり視点が増えていったりする感覚がつかめ、ようやく社会人として自信がついてきたんです。

また、指示を受けたことに対して、そのままやるということではなく、自分なりに考えて別の結論を出しても、それがロジック的に正しければ受け止めてもらえることもわかりました。

塩原:いわゆる、ロジカルシンキングをこの期間に鍛えられたんですね。いまの門田さんの仕事スタイルにも通じる部分がありそうです。

門田:そして社会人として働いて、ひとつの区切りと考えていた3年が過ぎたのですが、その時には、大学時代に抱いていた教師になる情熱は薄れてきていました。

というのも、一度社会人として世の中に出てみると、教師として毎日同じ場所に通うことが想像できなくなったり、また、教師の働く環境についてのネガティブな情報も目にするようになったことが理由です。

一方で、社会人として日々忙しく働き、その対価としていただいたお金で、お洋服を買って美味しいご飯を食べて飲み会に行ってと、自分のためだけに稼ぐことに違和感をおぼえるようになりました。わたしは一体なんのために働いているのだろうか、誰のために働くべきなのだろうかと。

そんなことを感じていた社会人5年目のとき、ふと電車で顔を上げると、青年海外協力隊の広告が目に留まったんです。

そして「こういう選択肢もあるな」と直感的に思いました。

今思えば考えが浅かったなとも思うのですが、「自分のためではなく、困っている人のために働きたい」という思いと、青年海外協力隊の活動が合致したんです。

将来的に途上国の子どものために働くことを考えたら、青年海外協力隊への参加というのはいいきっかけになると思いました。教師をやりたかった気持ちもまだ少し残っていたので、子どもたちを支援できるのもいいなと。

自分の中で「なぜ行くか」の部分に筋が通ってからは、行くことに迷いはなかったです。

ーー青年海外協力隊での2年間は、どのような経験をされましたか?

門田:青年海外協力隊として、アフリカ西海岸に位置するセネガルに2年行きました。

ミッションは、当時大統領令で設置されたセネガルの学校運営委員会(CGE・日本でいうPTAのような組織)が有効に機能していないということで、CGEが機能するように支援するというものでした。

私はセネガル中部に位置するカフリン県という場所に派遣されたのですが、初めは実態も分からず、どう活動したものかと悩んだことを覚えています。そこには100校以上の小学校があり、そもそもCGEの集まり自体がない学校もある状況でした。

塩原:言語の壁はどうクリアされたんですか?

門田:現地でのコミュニケーションは、フランス語と現地語であるウォロフ語でした。

派遣前の訓練期間でフランス語を習得し、ウォロフ語はセネガルに行ってから、現地の学校でフランス語で学びました。

塩原:いきなり学びたてのフランス語でウォロフ語を勉強したんですね!

門田:学校の先生方はフランス語が話せるので、フランス語で意思疎通していました。

任務にあたってはまず何校かに訪問し、校長先生に話を聞きながら「こんなことをしたい」という声があがった小学校のお手伝いをすることにしました。

セネガルの学校の先生方との会話はフランス語で

例えば、ゲーム大会を開催して、大会であがった収益を学校の運営費用に充てたいという話があれば、ゲーム大会の運営を担当するなどです。

また、地域の皆さんが学校にきてもらうきっかけを作ろうと、子どもたちに絵を描いてもらって、展示会を開催する取り組みなども実施しました。

セネガルでは、小学校に通い初めても結局家の手伝いをするために途中で辞めてしまう子どもが多くいました。祖父母や親御さん自身も学校に通ったことがないので、学校が何をしているのか分からないんですね。なので、まずは親御さんに学校に一度来てもらう機会づくりとして開催した展示会でした。

塩原:2年間で、特に印象に残っていることや大変だったことはありますか?

門田:一番大変だったのは健康面です。派遣されて2ヶ月目に謎の高熱が出て、1週間くらいご飯が食べられず、気を失って倒れ、顔からダイブして前歯を2本折ってしまって…。セネガルの首都まで車で5時間かけて行って、歯医者さんに前歯を入れてもらいました。

塩原:そんなハードな経験もされたんですね!青年海外協力隊として実際に途上国に行ってみて、気づきはありましたか?

門田:行く前は、よくCMなどで流れているように、ご飯を食べられない子がいるなど暗くて悲しい国のようなイメージを持っており、途上国の人は困っていて助けを求めていると思い込んでいたんです。でも実際は、みんなとても陽気で親切。家族をとても大事にしていて、ご近所さん同士の仲がよく、地域で子どもを育てる雰囲気があり、幸せそうに見えました

セネガルが経済的に豊かになることは素晴らしいのですが、「近代化することで社会のつながりが薄れてしまったら、それはセネガルの人にとって果たして幸せなのだろうか?」という疑問が湧いてきてしまって、自分の中で途上国支援の解を出すことはできませんでした。

また、一緒に青年海外協力隊に行った日本人メンバーとの関係でも気づきがありました。

私は新卒から5年働いていた中ですっかりビジネス思考になっていて、ロジカルな課題解決を目指していたんですが、ほかのメンバーは現地で楽しめたらいいというスタンスだったんです。純粋に「楽しみたい」という気持ちをもっと大事にしてもよかったのかもしれない、もっとフットワーク軽く柔軟なやり方をしても良かったのかもしれないと思いました。

セネガルでの2年間は、5年間の社会人経験を一度壊す経験だったのかもしれません。

大学時代に打ち込んだアルティメットをセネガルの子どもたちと

ーーマネフォに入社した決め手を教えてください。

門田:セネガルから日本に戻っても、途上国支援の気持ちは変わりませんでした。そして、青年海外協力隊の経験から、途上国支援をボランティアではなくビジネスとして取り組むのが自分に合うのではと思ったんです。そこで、これから途上国支援の事業をしていくという少人数の会社に就職したのですが、その会社の職場環境が合わず半年で退社することになったんです。

半年で辞めたことが自分自身もショックで、いろいろと崩壊しました。そこで一旦、途上国支援の軸ではなく、ビジネス経験を活かした転職をしようと思ったんです。

社会人としては1社目の経験しかないので、ERPを軸に転職活動を始めました。そしてERPの中でも、大手ではなく中小企業向けにサービス提供ができる会社を探し始めました。

塩原:大手よりも中小企業向けがいいと思ったのはなぜですか?

門田:理由は二つあって、一つ目は業務の全体像を見られて面白そうだと思ったからです。1社目で大企業向けに仕事をしていたときには、一つのセクションだけの関わりで、ピンポイントでの業務にしか詳しくなれないと感じていました。

二つ目は、中小企業を支援することに社会的な意義があると感じたからです。途上国支援は諦めたものの、社会的意義のある仕事がしたいと思っていました。1社目の経験から、自分のためではなく社会のために自分のパワーを使っていたいと思って、そういった視点で探しているうちに、マネフォを見つけたんです。

塩原:最終的に、マネフォに入社した決め手はなんでしたか?

門田:会社サイトやnoteなどを読み、温かみのあって人が良さそうな会社だと感じました。そして、士業のカスタマーサクセスに関するマネフォのnoteを読んだ時に、自分の経験が活かせそうだとも思いました。

ーーマネフォに入社して3年、どんなことがありましたか?

塩原:マネフォに入社して驚いたことはありましたか?

門田前向きでいい人が揃っていて、とても優しい世界が広がっていると感じました。今でいう、心理的安全性の高い会社ですよね。

何か提案すると、まずはその行動やスタンス自体をすごいねと褒めてくれて、受け入れられる雰囲気です。そして提案内容に不足が感じられたとしても、決して詰めたり責めたりすることなく、どうしたらいいのか一緒に考えようというスタンスの方ばかりですね。

塩原:いわゆる「詰められる」というシーンには、私も入社以来遭遇したことがないです。入社して3年が経ち、印象に残っていることはありますか?

門田:組織を育てる経験をさせてもらったことが貴重な体験でした。約2年半前にSMB本部(現SMB事業推進本部)でカスタマーサクセスの部署を3名で立ち上げ、やがてチームになり部になり、さらにサクセス部とオンラインセールス部というふたつの部署として拡大しました。

オンラインセールス部は、カスタマーサクセス部内でオンラインセールスを企画したことから始まり、22年6月に部格化したのですが、しっかりとしたチームになってきていると感じています。

組織をどう改善したらいいかという意見を日々話し合うなどして改善活動が自走していますし、さらに新たにいい方が入社して、文化もどんどん良くなっています。

ーーマネジメントで心がけていることはありますか?

門田:メンバーのできることが増えるのが本当にうれしいので、そういったときはできるようになったことをきちんと伝えて、一緒に喜ぶようにしています。1on1の場でも、できないことを指導するのではなく、できることを一緒に数えていきたいんです。

メンバーが積極的に仕事を頑張りたいと思ってくだされば、チームの雰囲気が良くなりますし、それがチーム全体の生産性向上への近道です。メンバー自身ができることを実感する、成長実感を持てることが大事です。

塩原:そう心がけるようになったのはどうしてですか?

門田:自分が1社目でもがいていたときに楽に働けるようになったのは、できることが増えた時だったという原体験があるからだと思います。

塩原:メンバーの皆さんからは、「門田さんの1on1では、コーチング的にメンバー自身が解を見つけられるようにサポートしてもらっているんです」というお話も伺いました!

門田:メンバーが施策の相談にきた時は、「なぜなのか?」という掘り下げをして、まだ見えていなさそうなポイントを突っ込んだりしています。

というのも、課題解決型のチーム運営を心がけていて、「Why(なぜやるか)」をいつも明確にするようにしているんです。そこの目線が揃っていたら、アウトプットはちゃんと出てきますから。

「How(どうやるか)」はある程度メンバーに任せるからこそ、想像を超えるアウトプットが出てくることも多いです。

塩原:門田さんは、メンバーのみなさんから非常に頼られるリーダーという印象なのですが、きっとそれは「門田さんと話せば、ロジカルに漏れなく課題整理することができる」という安心感と、門田さんがメンバーにHowを任せているからこその信頼関係があるからなんですね!

ーーこれからマネフォでどんなことをしていきたいですか?

門田:いまは、SMB事業推進本部のカスタマーサクセス部の部長としての役割を担っていますが、『マネーフォワード クラウド』に出会ってくださったユーザーさんが「使い方がわからないから、もう使うのやめよう」ということをなくしていきたいです。

塩原:マネフォの入社理由として「社会的な意義のある仕事がしたい」という想いをもっていたというお話がありましたが、いまお仕事されていて社会的な意義は感じられていますか?

門田:SMB事業推進本部が向き合うお客様である中小企業の方々にとって、自分たちがどんなメリットを出せるかという点は意識しています。

マネフォに入社してからは、メンバーや目の前のお客様のためにという意識で働くようになり、以前のように「自分は何のために働いているのか」と迷うことはなくなりました(笑)

あとは純粋に、今の仕事が楽しいんです。

今でも覚えているんですが、マネフォ1年目のときの上長との1on1で「1社目に身につけた能力の中で仕事をしている感じがする」と言っていたんです。その頃はまだこのままでいいのかなという迷いもあったのですが、そこからマネジメントにチャレンジさせていただいて、自分の中でも大きな変化がありました。

マネジメントを経験して、得られることが増えましたし、とにかくメンバーのみなさんが成長していく環境づくりが楽しいんです。実際に自分の期待を超えたパフォーマンスを発揮いただいた時には、とても嬉しい気持ちで、日々の仕事にあたっています。


ーーどんな組織でありたいですか?求める人物像も教えてください

門田:組織としては、ヘルシーに働けることが一番大事だと思っています。長時間勤務になりすぎず、心理的安全性のある健康的な組織でありたいです。

それに加えて、メンバーが適切な課題感の業務を担当できることも大事にしています。例えば、新しい方が入社して3週間ほどで「セミナー講師をやってみませんか?」と言ったりするんですね。ほかのメンバーから「早すぎないですか?」と意見をもらったりしますが、それは本人が決めること。

こんな風に、チャレンジできる環境を提供し続けていきたいと思っています。そのために、メンバーそれぞれが何をできるか、一歩階段を上がるにはどんな仕事をしてもらうべきか、ルーティンワークになっていないか、という点をしっかりと見るようにしています。

塩原:SMB事業推進本部が求める人物像についても教えてください。

門田:マネフォのカルチャーにフィットする、前向きで真剣に業務に取り組んでくれる方を求めています。また、面接の場では、工夫して仕事をする方なのかを見ていますね。

言われたことをそのままやるのではなく、どうしたらいいアウトプットができるかと考え、工夫できる方と一緒に働きたいです。

ーー最後に、門田さんのプライベートについても教えてください!

門田:旅行が好きで、最近は京都によく行っています。

寺社仏閣が好きなんですが、コンパクトなバッグひとつで行って、安いホステルに泊まっています。

そろそろ海外にもいきたいですね!

ーー編集後記

インタビュー前に、SMB事業推進本部メンバーのみなさんに門田さんはどんな人?と聞くと「ロジカルシンキングや原点思考が強い方で、施策のセンターピンを押さえるのが非常にうまい。フィードバックも的確でリスペクトしています」という、スーパーできるビジネスパーソンを彷彿とさせるイメージで、メンバーにとても慕われている方ということが伝わってきました。

実際に門田さんにお話を伺うと、テキパキというよりも、どちらかというとおっとりとした落ち着いた語り口で、どんな質問にも真摯に自然体な言葉で答えてくださいました。

社会人として5年を経た後に突如としてセネガルに行ったのも、マネフォに入社したのも、その裏には「人のため社会のために自分の力を使っていたい」という純粋な思いがあって、自分がどうなりたいかよりも、自分の力を社会にいかにより良く活かすかという点でさまざまな選択をしている方なんだろうなと感じたインタビューでした。

そして、「お客様やメンバーのために働けているいまが楽しい!」という言葉にも非常に納得感がありました!

そんな門田さんが副本部長を務めるSMB事業推進本部では、日本に数多く存在する小規模事業者様がバックオフィスから生産性を高め、そこで働く方々がもっと前へ進めるように、全力で事業推進しています。ぜひそんなSMB事業推進本部に力を貸してください!