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発足から1年で購買率を2倍にしたカスタマーサクセスチーム成長の秘密

みなさんこんにちは。
マネーフォワードの門田です。

私はマネーフォワードの中でも『マネーフォワード クラウド』というバックオフィス業務効率化ソフトを扱う組織に所属していまして、主に1~30名規模の企業のお客様を対象にしたカスタマーサクセスチームのリーダーをしています。

チームのミッションは、『マネーフォワード クラウド』の購買率の向上です。

『マネーフォワード クラウド』を無料トライアルしていただいたユーザーに、いかにご契約いただくか(購買いただくか)、という部分の責任を持っています。

私たちのチームは発足して1年の間にさまざまな施策を実施し、この購買率を前年同月比の2倍に成長させることに成功しました。先日は、その成果が評価され、社内で表彰もしていただきました。

本noteでは、私たちのチームが、1年間でどのようにして購買率を成長させてきたのか、いくつかの取り組みをご紹介させていただければと思います。

# 1 いちからペルソナを定義、ワタナベさん爆誕

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私たちのチームは、2020年4月に3名でひっそりと立ち上がりました。

もともとメンバーそれぞれが違う部署にいたので、「ユーザーって・・・」と話しはじめても、それぞれの持つユーザー像が違いすぎて、認識があわせづらい状態でした。そこで、まずはどういうユーザーをチームのコアターゲットとするのか、ペルソナの作成から始めることにしました。

そして、チームでワークショップをしたり、議論を重ねた結果、ペルソナのワタナベさん(仮名)が誕生しました。

▼ワタナベさん

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( 一部抜粋 )
・会社経営者 40歳 福岡県在住
・既婚、子供2人、柴犬1匹
・インストール型会計ソフトを利用して、自分と妻で経理を行っている
・現場仕事のあとや土日を使って経理をしていることも少なくないが、
 本人は経理業務はこういう大変なものだと思っている
・インターネット広告でマネーフォワードを知り、税理士に相談


これにより、「ワタナベさんはこういうところで不便を感じると思うんだよね」と、チームで議論がしやすくなりました。

「ペルソナの定義」という基礎の基礎的な部分から自分たちで考えられたのは、そのあとカスタマーサクセスでさまざまな施策を考えるのに非常にポジティブに働いたと思います。

# 2 仮説とデータの両面からユーザーの解像度をあげる

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次に、ワタナベさん目線で、『マネーフォワード クラウド』の登録から無料トライアルまでを体験してみました。

ワタナベさんになったつもりで触ってみると、いろいろと発見がありました。

ボタンひとつとっても、普段は使い慣れているから特に深く考えずにクリックしていましたが、初見のワタナベさんは、そのクリックで何が起きるのかしっかり理解しようとしますし、ホーム画面にたどり着いたときには、画面にたくさん文字があり、どこから触っていけばいいのか、困っていました。

こうして、メンバーそれぞれが、ワタナベさんが購買にいたるまでに躓く部分を、定性的に理解しました。

また、これとあわせて、データ面でのアプローチも進めました。ユーザーがアカウント登録をしてから購買するまでに、各場面でどのくらい離脱が起きているのかを見たり、ユーザーにアンケートをとって、課題に感じていることなどの全体感を把握したりしました。

このように、常にユーザーについて仮説とデータの両面から考えたことで、メンバーの勝手に作ったイメージに依存する不安定さや、データのみに振り回されてしまう的外れ感を、上手く避けることができたように思います。

# 3 自分で企画から実行まで。課題解決型のチーム運営

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私たちのチームは、業務遂行型ではなく、課題解決型のチーム運営をしています。

メンバーそれぞれが、自分で今期どの課題に対応するか決め、対応施策の立案から実行、振り返りまで、自身が中心となって課題解決に取り組んでいます。

課題解決型の組織運営をしたことで良かった点が2つあります。

①施策実現のスピード感があがった
課題がたくさんある状態で、メンバー全員の意見を聞きながら施策を進めていると、ひとつの施策を打つにもかなり時間がかかります。ですが、メンバーそれぞれが、課題の優先順位に加え、自分の得手不得手を踏まえて施策を選定できたことで、適材適所的な効果が生まれ、施策実現のスピード感が上がったと感じています。

②マネジメント側の想像を超える施策の実施
業務遂行型のチーム運営だと、メンバーがいつどのようなアウトプットを出すのか、というのは最初に解像度高く見えており、これがこの形式の大きなメリットかなと思います。

逆に、課題解決型だと、大方のイメージはありつつも、マネジメント側はHOWの部分をあまりきっちり管理しないので、想像以上のスピード感でアウトプットを出してきてくれたり、こちらが思ってもみない方法にチャレンジしていたりと、こちらの想像をポンポン超えてきます。

部署の枠や既存の概念にとらわれずにメンバーが活躍している姿を見ると、手前味噌ですがシンプルにすごいなと驚かされます。

# 4 小さな顧客にもコンサルティングを。無料オンライン導入相談の立ち上げ

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『マネーフォワード クラウド』を利用したいと思ってくださるお客様の中には、会計ソフトを買い替えたい、と明確に何がしたいか決まっている方もいれば、そうでない方もたくさんいらっしゃいます。

例えばこんなお客様です。

最近流行りのDX。DX化していきたいとは考えているけど、どこから手を付けていいかわからない。『マネーフォワード クラウド』というのがいいらしいよ、と知り合いの社長さんから聞いたけど、うちのバックオフィス業務がそれを使うとどうよくなるのかな…。

こうした課題が具体的に顕在化していないお客様に関しては、どうしても、お客様の状況をヒアリングして、アドバイスをする、といった、コンサルティング的な個別の対応が必要になると感じていました。

そこで、無料オンライン導入相談という仕組みを立ち上げました。無料オンライン導入相談では、お客様の現状の業務をお伺いし、『マネーフォワード クラウド』でそれをどのように効率化できるのか、どういう形で導入を進めていけばよいのかを、オンライン会議システムを使ってご案内する仕組みです。

この仕組みによって、もちろんお客様にとってはわからないことだらけの導入にあたって、相談先ができたというメリットがありますし、カスタマーサクセスチーム側にとっても、ユーザーのよりリアルな声が拾える、というメリットがありました。これにより、実際のユーザーの声を反映して施策の強度をあげることができている点が、良かったです。

# 5 エンジニアとの横断プロジェクトを推進

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ユーザーの課題を洗い出していると、プロダクトに改修を入れるべきところがいろいろと見えてきます。ただ、ここに関しては私たちは無力でした。当然、自分たちで改修が入れられるわけでもなく、とはいえ開発チームに依頼するのも、元々引いてある開発スケジュールがあるため、毎回心苦しい…

でもこれは、開発チームも同じ気持ちでした。法令改正に着実に対応していかないといけない一方で、ユーザーのプロダクトへの満足度を上げていくところもやっていきたい、ということで、双方のやりたいことが合致し、組織を横断して満足度向上に取り掛かれるように、開発チームとプロジェクトを組みました。

これにより、エンジニアやデザイナーと一緒に、ユーザーがプロダクト上で躓く点についてワークショップで認識をすり合わせ、今期どの部分の改修に取り組むか議論し、実際に改修をかける、といった流れが出来てきました。

こうして、開発と協力して、根本的な課題解決ができるのも、私たちのチームの強みだと思っています。


このように、発足から約1年の間、いろいろな取り組みを実施してきましたが、常に大切にしてきたのは、誰よりもユーザー目線であることです。

ユーザーがどう考えるのか、ユーザーにとって最適なコミュニケーションになっているのか、常に目線をユーザーに合わせたうえで、施策を考えたり、社内でのコミュニケーションでユーザーの気持ちを代弁するように心がけています。

お客様は、システムを入れることをゴールとしていません。システムを入れたことで業務が効率化され、残業を減らすことができたり、より付加価値の高い業務に時間を使えるようになったりすることが、本来の目的のはずです。

私たちのチームでは、お客様に本来の目的を達成していただくために、その手前にある『マネーフォワード クラウド』導入のハードルを少しでも下げ、『マネーフォワード クラウド』を活用していただけるよう、尽力していきます。

今後は、管轄の範囲を広げ、より多くのお客様を救えたらと思っていますので、一緒に活躍してくれるメンバーを絶賛募集中です。

カスタマーサクセスチームは、これからも、ユーザー目線を大切に、お客様に嬉しい体験を届けられるよう活動していきます!

Work illustrations by Storyset

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