~業界研究~建設機械の「レンタル」業(3/3)
建設機械の「レンタル」業界(2/3)からの続きです。
(1/3)・(2/3)を未読の方は、下記リンク先を先に読んでください。
前回までで、使用頻度の高い機械以外で「購入」や「リース」を利用するのは、良い方法とは言えないとお伝えしました。
では、レンタルではどうでしょうか。
レンタルであれば、いつでも必要な期間だけ借りることができ、予定していたより早く使い終わってしまった場合も、その時点で返却することができます。
金額面でも、1日当たりの金額は購入やリースよりも高くはなりますが、短い期間であれば、購入やリースよりも圧倒的に安い金額で利用することができます。
リースと比べたレンタルのデメリットについても考えてみます。
まず、レンタル会社の在庫に無い商品は借りることができないというデメリットについては、希望する商品を在庫として所有しているレンタル会社を探したり、メーカー違いの別の似たような機械での代用を検討したり、など対応する方法を考えることはできそうです。
もう一つの、商品が新品ではないというデメリットについては、そもそも新品であることにこだわらなければ、問題にはなりません。
(一概には言えませんが、)使う期間だけ借りて終わったら返却するというレンタルにおいて、中古と聞いてデメリットだと感じるのは、ちゃんと動くのかという心配があるからではないでしょうか。
その点でいえば、レンタル品は、レンタル会社によってしっかりと点検整備が行われている為、中古であっても問題なく使うことができます。
このように、レンタルにもデメリットはありますが、購入やリースのデメリットに比べて、妥協を検討することのできるデメリットである為、金額面などのメリットの方が大きいと考えられています。
その為、使用頻度の高い機械以外は、レンタルをするのが良い方法と言えます。
「使用頻度の高い機械以外はレンタルを利用するのが良い」とお伝えしましたが、
「使用頻度の高い機械」についても考えてみましょう。
ほぼ毎回使うような機械をレンタルして使う場合、長期間もしくは複数回レンタルすることになります。
リースと同じ期間分レンタルをした場合、レンタルの方が1日あたりの単価が高い為、購入やリースの方が支払総額は安くなります。
金額面だけで言えば、レンタルよりも購入やリースの方が良いようにも思えますが、建設機械には安全に使う為の定期的なメンテナンスが必要で、購入やリースの場合、自分でそれを手配しなければなりませんし、メンテナンスを行う為の費用も別で必要になってきます。
レンタルの場合は、レンタル会社が手配して行う為、メンテナンスの為の手間や追加費用は必要ありません。
その為、使用頻度の高い機械については、建設会社それぞれが何を優先するかを考え、その建設会社の方針に合った方法を選択し、利用しています。
つまり、使用頻度の高い機械は、レンタルを利用する場合、リースを利用する場合、購入する場合、それぞれあるということになります。
工事の現場で使われている機械は現場によって変わるので、毎回使うような機械というのは限られてきます。その為、現場で使われている数多くの機械が、「使用頻度の高くない機械」ということになります。
使用頻度の高くない機械は可能な限りレンタルを利用し、使用頻度の高い機械はレンタル・リース・購入のいずれかを利用していると、工事の現場で使われているものの約7割がレンタルされた機械ということになるのです。
そして、数多くある工事の現場で、数多くのレンタルされた機械が使われているということは、それだけたくさんの機械がレンタル会社からレンタルされているということになります。
レンタル会社も、取り扱う機械の種類や在庫を増やすなど、多くの建設会社に「レンタル」を選んでもらえるように対応しています。
また、工事や建設は、国や地方自治体からの委託で行われるものも多い為、決してなくなることはありません。
これらが、ここ10年間でレンタル業界が伸びている理由です。
つまり、「建機レンタル業界」が伸びた理由は、建設機械はレンタルを利用した方がメリットが沢山あり、実際に多くのレンタル機械が多くの現場で使われているというところにあるのです。
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