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就活にも仕事にも活用できる!クリエイティブディレクターが使っている現状分析のフォーマットを紹介します。

リヤちゃんからバトンを受け取りました北です。

就活ではディスカッションや課題解決型の試験がありますよね。どう取り組んでいいものか悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。そこで学生時代、英語討論漬けだったクリエイティブディレクターの私が、学生時代から今もなおプランニングや企画書を制作する際に使用している分析フォーマットを簡単にですが紹介したいと思います。クリエイティブって感覚的な仕事と思う方も多いかもしれませんが、実は多分にロジカルな側面が占めているんです。

①Problem
まずは問題の選定です。設題者によって、すでに設定されていることもありますし、我々の業務では問題がどこにあるかを考えることから始まることがほとんど。どこに問題を設定するかで、発生原因が変わり、解決手法も変化していきます。全てのフェーズで大切なのは、言葉の定義を一つずつ丁寧に行っていくこと。認識のズレは、あなたとあなた以外の人の間に回収困難な混乱を巻き起こすことがあります。

②Cause
Problemが発生したそもそもの原因になります。Causeの設定が甘いとPlanの設計が甘くなります。問題と乖離した頓珍漢なCauseを設定すると、施策を打てど何も変わらず、場合によっては別の問題が発生するなんてことも。Causeとはいわば植物でいうところの根っこのようなもの。葉や花のように表面に見えているものではないので、地中を探るような深い分析が欠かせません。CauseはWhyを積み重ねることで、根源に近づいていきます。

③Harm
問題から発生している実害です。どれだけ問題が深刻そうに見えても、Harmにインパクトがなければ、問題解決をする必要はないというのがロジカルな判断になります。Harmは、質と量の側面から評価します。ディスカッションにおいて、②と③のいずれを先に議論すべきかというのは、意外と見過ごされがちですが、私は、①→③→②の流れが良いのではないかと思っています。実害が少ない、もしくは無害であれば、その後の②原因を探る議論事態が不要となる可能性があるためです。言い換えると、葉(問題)や花(実害)のような表面に見えている部分の方が、地中深くにある根っこ(原因)よりも議論しやすく、時間の節約になる可能性があるのです。

④Linkage between Problem & Harm
こちらも実際の議論で見過ごされがちですが、問題、実害、原因とその存在を確認できたとして、本当にその3つのファクターがつながっているのかというのは、議論をする上で大切な要素です。Causeを解決するために打たれたPlanが、Causeを解決しても、ProblemとHarmに因果関係がなければ、Harmは解決されぬまま害が残り続けるからです。

⑤Linkage between Problem & Cause
こちらも上記同様ですね。

これで、問題、実害、原因の3要素の確認と2つのリンケージの確認が完了したことになります。これがいわゆる現状分析と呼ばれるものになります。花、葉、根、それをつなぐ茎の存在を明らかにすることで、解決しなければならない、私たちが一般的に「問題」と呼ぶものの分析が完了し、やっとこさ次のフェーズである課題解決のためのPlan設計へと進むことができるのです。

この後は、Planの策定に加えて、Planを実行&実効可能性の側面から分析したり、Planから派生するDisadvantageとの比較考量が行われます。まさに企画制作や議論の真骨頂部分!しかし、すでに文字数上限がやって参りました。後ろ髪を引かれる思いですが、また別の機会にお話させていただければと思います。

20年以上も昔のことです。私は、分析哲学者スティーブン・トゥールミンが著した書籍を読み漁り、専攻の法学は放ったらかしで、論理学ばかりを勉強していました。誰も知らないであろうAll Japan student’s assemblyに西日本代表として出場したこともありました。20年経って言えることは、学生時代に打ち込んだことって意外と無駄にならないということ。学生の皆さんにも「私はこれをやったんだ!」と言えることを学生時代につくって欲しいと切に思います。

次回は、Natural born logicalの花さんですね。
それでは、よろしくお願いします!

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