見出し画像

愛した夏

私の世界はいつだって君を通して見えてるものばかりだった。繋がった目線の先で見えた君が大切に抱えていた夏の煌めき、あおい水槽を気の向くままに泳ぐ金魚、やさしい声で愛を呼んでくれている気がしてつい振り返ってしまう帰り道。守れなかった約束が日常に散りばめられている。指の間をすり抜けていくやわらかい風はどこか儚げで、このまま溺れてしまえたら楽なのにな、と思った。あまりにも長くて美しい時間を手放すのは惜しくて、時が止まったままのアルバムを見漁った。写真の中の2人は永遠に一緒だから。その分きっと幸せでいられるはず。












夏ももう終わるね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?