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親愛なる君へ

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親愛なる君へ

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愛した夏

私の世界はいつだって君を通して見えてるものばかりだった。繋がった目線の先で見えた君が大切に抱えていた夏の煌めき、あおい水槽を気の向くままに泳ぐ金魚、やさしい声で愛を呼んでくれている気がしてつい振り返ってしまう帰り道。守れなかった約束が日常に散りばめられている。指の間をすり抜けていくやわらかい風はどこか儚げで、このまま溺れてしまえたら楽なのにな、と思った。あまりにも長くて美しい時間を手放すのは惜しくて、時が止まったままのアルバムを見漁った。写真の中の2人は永遠に一緒だから。その

    • 季節

      何歳になってもきっと別れは切ないし、つらい。増えない思い出を消化するために一緒に過ごした場所や時間を抱きしめようとしても、指の間をゆっくりとすり抜けて触れない。でも、だからって永遠なんて望んでる訳じゃなくて。ただ飽きるまで、この夏が終わるまでそばにいてほしいってだけ。それがこの夏の終わりが見えてきたとき秋までの約束になればいいし、秋がくれば冬も一緒にいたいと思えたらいい。巡る季節の変化をうまく交わして、気づけば何十年と一緒にいるね、を言いたい。

      • 言葉

        言葉が、すきです。もっと言えば、言葉にのせられたやさしさや温かさがすき。たった一言で人を救うことも、殺すこともできてしまう言葉に愛しい感情をもたせて、ときめきと一緒にプレゼントしてほしい。「会いたい」とか「だいすき」とか、ね。たった4文字だけどその4文字に含まれる愛情だとか、心配だとか、感謝だとか。そういうのを感じたときのうれしさって何よりも大切で、どんなものにも変えられない何かがあって、だから言葉って魔法みたいだな、と最近思います。言葉ってきっと私たちが思っているよりずっと