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さかなクンのお母様が素晴らしい話

まず図書館って素晴らしくない?

市の図書館あんまり行った事なかったから知らなかったんだけど、自分が読みたい本予約できるんだね…今まで読みたい本は買うしかないと思ってたけどネットで予約して連絡きたら取りに行くって…めちゃくちゃ便利じゃん

さて先日めちゃくちゃ感動したのがさかなクンの書いた「一魚一会」


とにかく何が素晴らしいって、さかなクンのお母様が素晴らしい。

さかなクンを信じてやりたい事をとことんやらせて失敗も沢山させるお母様の教育が本当に素敵で愛に溢れていた。

さかなクンのお母さんの、さかなクンの好きな事を全力で応援したい、なにひとつ邪魔をしたくないという真摯な気持ちが伝わってきて泣きそうになった。

私も親だから、とてもわかる。でも親だから、我が子に辛い思いはさせたくない。だからこそ失敗しないように先回りして行く手を阻んでしまう。事がある。

ただただ信じて見守る。心が深く傷つくような失敗も経験させる。

書くと簡単だけど、それがどんなに大変で、辛くて、自分の身を切り裂かれるような事か分かる。

きっとさかなクンが傷つくたびにお母さんも密かに一緒に傷付いてきたのだと思う。

これはあくまで、さかなクン目線の、さかなクンの人生を書いた本だから子育て本ではないのだが、その辺の母親が「私は息子達を◯◯大に入れました!!」などという母親目線の自信過剰なオナニー本より、よっぽど心にくるものがあった。

そしてこの本に書かれている以上のことを、さかなクンのお母様はさかなクンに与えてきたのだと思う。

さかなクンが生まれながらに持っているかのように見える他者への優しさや好奇心の強さだって、もしかしたらさかなクンのお母様が幼少期から大切に育て上げてきたものなのかもしれない。いや、きっとそうだね!!


さかなクンのお母さんは、さかなクンに勉強をさせなかった。理由は、さかなクンが勉強よりも絵や魚や吹奏楽のことに夢中になっていたからだ。

それを担任に非難された時も、お母さんは「あの子はあれでいいんです」と言う。

お金も手間も、時間も何ひとつ惜しまずさかなクンの好きなものを一緒に好きになって全力で応援されてきたのだという。

さかなクンは勉強をしなかったので、大学にも行けなかったし夢を叶える道は手探りで先の見えない日々の連続だった。

人によっては「それなら子供の頃からちゃんと勉強させてたらもっと簡単に夢を叶えられたのでは」と思うかもしれない。

でもそれはあくまで一般論で、ごく一般的な夢の叶え方で、万人向けだ。凡人こそきっとそういう努力の仕方をするべきなのだと思う。

だけどさかなクンは明らかに凡人ではないし、また、そうは生きられない人なのだと思う。
いつだっめ他人は無責任に勝手な事を言うけれど、誰もがそうであるように、さかなクンもまた、さかなクンのやり方でしか生きられないのだ。「普通」を選ぶ事で潰れてしまう才能もある。

大学が悪い、勉強が悪いというわけでない。

でも「そうじゃなくてもいい。勉強しなくていい。大学進学しなくてもいい。定職につかなくてもいい」というさかなクンのお母様の、徹底してさかなクンを信じて、応援するスタンスは明らかに「普通」ではないし、

何より人間だし、母親だから周囲から色々言われて不安に思う事もあったのだろうけど、それをさかなクンには一切悟らせないのが本当にすごい。

知育に奮闘してTwitterなどで知育に関する情報収集をしていると、自分も含めてエゴや見栄にまみれた親の欲のようなものがふと垣間見える時がある。

こうなって欲しい、いい大学に行って欲しい、起業できる人間になって欲しい……など、

子の幸せを願うあまり、勝手に生きる道を想像してしまうのだ。

それって、真に子供の事を考えていると言えるのだろうか。上手く人生を渡らせる事だけを考えているような気がする。

ふと思い出したけど、小学生の時お花屋さんになりたかった。

花が大好きだったから。学校から帰ったら花図鑑を読んでその全てをノートに丸写ししていた(笑えるほど無意味な行為)

そんな私を見て母親は、「花屋さんて虫とかいっぱいおるからあんたには無理」と言ったのだが、

それですっかりやる気を削がれてしまって、花屋さんになるという私の夢はケーキ屋さんになるという夢にすり替わった。だけど、もともとケーキを作る事は好きじゃないので将来の夢自体も何となく風化していった。

それで中学生くらいに成長した時に
「13歳のハローワーク」という本を渡された。

色んな職業のことを子供にわかりやすく説明したり、どうしたらその仕事につけるかを書いていたいわゆる職業のパンフレットのような本だったけど、どれもピンとこなかった。そんなものを読んで自分の将来やりたい事が見つかるなら苦労はしない。

母は母で何も考えていないわけではなかったのだと思う。でも、そのやり方は(通常育児に正解はないけど)明らかに不正解だったし、色々と見逃し、遅過ぎた。自分で職業を選ばせようとするなら、なぜ、花屋さんに対して否定的な言葉を投げたのか。応援してくれてもよかったのではないか。たとえ結果は、変わらなかったのだとしても。

小学生の子供って、大人が思っているよりずっと親の言動に影響される。親に無理と言われて「それでも花屋さんになるもん!」という確固たる意思を持てなかった7歳の私の事を、私は全く責める気になれない。

もし私の息子が何かになりたいと言ったら、一緒にその道を模索して、彼の好きなものを私も好きになる。
私は母とは違う。絶対にしょーもないことで子供のやる気を削いだり否定するような親にはならない。
そしてやってほしくない事ばかりうるさく言う親には絶対ならない。

私はさかなクンのお母さんになる。

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