風の谷のナウシカ

5年ぶりぐらいに漫画版「風の谷のナウシカ」を呼んだ。

小学校のクラス文庫にナウシカが置いてあり、それで初めて読んだ思い出深い作品だ。
そのとき私は、ナウシカに対してお姉さんのような印象を抱いていた。
自分をナウシカのペットのテトに重ね合わせていた。
よく分からない大国に対して戦いを挑んでいるが、同時に慈しみにあふれたお姉さんで、私を守ってくれる存在だ。

中学生の時は、ナウシカに恋をしていたと思う。
後半、ナウシカを崇め奉る蟲使いと自分を重ね合わせていたと思う。
ナウシカのことを愛しているのだが、その愛は崇拝のようなもので、ナウシカ自身を理解しようとはしない。

高校生のときも、ナウシカに恋していた。
それはまるで森の人のようだったと思う。
ナウシカと対等に、ナウシカの考えを理解し、同意していた。

社会人になった今は、ナウシカに対して複雑な感情を抱く。
高校生のとき、かつての人類の考え方に怒りを抱いていたが、今はその行動も理解できる。
実はヒドラだった庭園の主の考えが一番近いと思う。
耽美主義的で牧歌的な生活を求めており、それに一番の価値を見出している人だ。
彼がナウシカに対して抱いた感情に近い。
世界だとか、正義だとか、そんな大そうなものよりも、身近にある小さな幸せを享受しようとする生き方に近い。

まぁ久しぶりにナウシカを読んだが、相変わらず傑作だ。

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