KPIにも、生産性にもヒットする!CS組織での動画活用術

HiCustomerさんが2022年6月30日に、カスタマーサクセス白書2022をリリースしました。2021年度版から19ページも拡充され、今年度はCS部署の施策についても詳細に取り上げられています。


この記事では同白書で取り上げられていた、KPI及び生産性にヒットした施策/しなかった施策を取り上げ、

優先度が高いKPIにヒットした施策/しなかった施策

KPIへの貢献度としては、①オンボーディングのプロセス見直しが多数を占め、次いで②メンバーの育成/採用と、③ハイタッチの順となっています。

HiCustomer株式会社「カスタマーサクセス白書2022」p. 49.

一方で、KPI改善への期待が外れた施策では、①ヘルプコンテンツ、②動画コンテンツ、そして③コミュニティが挙げられています。

HiCustomer株式会社「カスタマーサクセス白書2022」p. 52.

ここから読み取れることとしては、顧客が自発的・相互的に学習をできる環境を整備した場合でも、必ずしも解約のしにくさや売上に対してヒットしないという事が分かります。

一方で、ヘルプコンテンツと動画コンテンツについてはHorizontal SaaS/Vertical SaaSそれぞれでKPI改善への効果が逆転しており、向き合う顧客により効果が出る施策が異なる事がわかります。

HiCustomer株式会社「カスタマーサクセス白書2022」p. 53. 

生産性向上にヒットした施策/しなかった施策

KPIへのヒットと同様、オンボーディングプロセスの見直し、そしてメンバーの採用/育成は生産性向上に貢献しています。また、データ活用は3位についており、顧客や自社の状況理解を進めることで、よりフォーカスすべき点が決まり生産性が上がっている事がわかります。


コンテンツ活用はKPIにヒットしにくいとの実績でしたが、生産性向上の観点では貢献度合いが高まっています
なお、ヘルプコンテンツの拡充はヒットしなかった施策でも上位にランクインしており、コンテンツの視聴数やお客様の(IT)リテラシーにより効果に差が出やすい事がうかがえます。

HiCustomer株式会社「カスタマーサクセス白書2022」p. 58. 

これらのデータから分かることは、特にCSの組織化・育成を進めること、そして顧客・自社のデータとコンテンツを活用することで、KPI・生産性の改善を両面で実現できる、ということです。

特に、学習効果が高く理解の負荷が低い動画コンテンツを使えば、お客様の体験を向上できるだけでなく、育成への転用で成果が出やすく、生産性が高いCSを作れると思われます。

ここからは、CSでの動画活用について、その活用メリットと利用シーンを紹介します。

動画の学習効果の高さ

一般に、動画は文章や画像に比べ情報量が3,600倍あり、6万倍理解しやすいと言われています。
CSの育成、そして顧客の学習の面では、以下2点で動画が優れています。

・操作やトークの流れが、そのまま分かる
・声のトーン/表情など顧客対応の重点も分かる

CSチームでの動画活用シーン

CSチームでは、顧客対応・育成の両面で動画の活用が可能で、フロー上でのイメージは以下の通りです。

ここからは、それぞれの動画の内容概要と動画活用時のメリット・デメリットをご紹介します。

動画活用シーン詳細

サービス紹介動画

お客様が、導入担当者や、社内のサービス利用者に対してサービスの紹介や簡単な説明をするために利用するものです。展示会やWEBマーケティングように作っている15秒〜3分程度の動画があれば、それが流用可能です。

メリット…
・お客様の社内説明コストを削減できる
・サービスについて知ってもらった上で利用開始となるため、CSの対応負荷が下がる

デメリット…
・外注の場合、作成コスト/工数がかかる(20万〜)

操作レクチャー動画(動画マニュアル)

サービスの操作の様子を、画面収録・字幕と音声(説明もしくはアフレコ)で説明したものです。オンボーディングの段階から、担当者が変わったり増えたりするアダプション・エクスパンションまで幅広いフェーズでご利用いただけます。

メリット…
・画面の切り替わり含め、操作の流れが一眼でわかるため、お客様の学習負荷が低い
・社内の学習教材としても転用可能

デメリット…
・数十秒〜1,2分の長さがあるため、一眼で項目を確認できないなど、網羅性に欠ける
・画面更新があるたびに、更新負荷がかかる

活用ノウハウ動画

操作方法に留まらず、お客様の利用シーンに合わせた「使い込み方」の解説を行う動画です。オンボーディング〜アダプションのフェーズで、お客様の属性・利用方法に応じて最適なものを視聴してもらうことで、より活用度を高める効果があります。

メリット…
・お客様は、安定的に質の良い提案を受ける(視聴する)事ができる
・一度作ってしまえば使いまわせるため、アセットとして工数削減効果がある
・社内の学習教材としても転用可能

デメリット…
・自社にとって必要なノウハウを、お客様に選択してもらう負担がかかる(※YouTubeやE-Learningシステムを使う場合)
・コミュニケーションの減少のリスクがある

提案・レポート報告動画

四半期に1度のQuarterly Reviewの、決裁者に対しての利用状況・コストパフォーマンスの説明を、動画メッセージで実施するものです。更新時期や、解約リスクの確認のために決裁者にコンタクトを取りたい際に、的確に現状を共有する事ができます。
数分程度の報告動画(動画メッセージ)を決裁者に共有することで、相手にとって参加が難しいミーティングを削減・効率化しながら、関係値を維持する事ができます。

メリット…
・決裁者とのアポイントが取得できない場合でも、情報共有や関係値の維持が可能

デメリット…
・特になし

新機能の紹介動画

新規にリリースされる機能の操作・活用方法を伝える動画を指します。リリース後にお客様に利用価値をわかりやすく伝えることで、機能の利用率向上、ひいてはサービスの利用継続を高める効果があります。

メリット…
・機能利用率が上がりやすい
・リリース後の操作に関する問い合わせが削減可能
デメリット…
・都度作る必要があるため、作成の負荷が若干かかる

ナレッジ共有・育成

社内で共有する、お客様へのヒアリング、提案や操作方法を動画化したものです。別途研修用の動画を作成するのではなく、お客様との打ち合わせの収録や、動画マニュアル/活用ノウハウ動画の転用をすることで、社内の教育コストを削減できます。
動画の例としては、以下のようなものがあります。

・お客様との打ち合わせの収録
・動画マニュアル
・活用ノウハウ動画

メリット…
・学習しやすい
・お客様向けのコンテンツが、そのまま流用可能
デメリット…
・打ち合わせの収録を除き、初期の作成負荷が高い

まとめ

・KPIや生産性にヒットする施策は、サービス特性や事業の成熟度により異なる
・採用/育成はKPIにも生産性にもヒットしやすい
・動画は作成負荷がかかりやすいが、顧客対応にも育成にも使える

【ご紹介】2クリックでCS用の動画コンテンツを作成・共有できる「recit」

動画コンテンツは撮影・編集に手間がかかり、共有時にはファイルが重くて届かないなど、意外と活用するのに手間がかかります。

テックタッチ用動画ツール「recit」は、ブラウザを開いたまま2クリックで録画できて、収録後は最長10秒で動画リンクをお客様に共有できるサービスです。

作成した動画コンテンツは、お問い合わせチケットやチャットへの貼り付けて共有できるほか、動画FAQとしてまとめて公開したり、既存のヘルプページへの埋め込みも可能です。

ご興味をお持ちいただけましたら、ぜひこちらよりお問い合わせください!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?