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抗体ー大山将棋の不死身性

活字を通して将棋を開かれたものにした金子金五郎九段についてはいつか詳しく書いてみたいが今日のところは、氏の文章の面白さの一端を。

以下、金子教室「好局の準決勝 ー 棋聖戦トーナメント」金子金五郎(「近代将棋」昭和57年8月号)より。

私は何年か前に本誌で「大山将棋の不死身性」といった表題で、「大山さんの将棋体質の中には新しい将棋に対応できる<抗体>のようなものがあるように思う」といった憶えがある。でこのことは受け将棋という質的なことにも関連がある。受けだから抗体ということがいえるが、升田さんのような攻めを主体とした将棋では抗体の生まれる契機がないであろう。

コロナウイルスによって生活が一変してしまったいまこの文章を読み直すと、なるほどと思われるし、羽生将棋にもそういった抗体が多く含まれているのではと感じられるのである。では藤井聡太二冠の将棋はどうなんだろうなどと思いつつ、B級2組順位戦最終局を観ている(藤井ー中村戦)。


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