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折々のチェスのレシピ(219)

ある程度スコアが上がったのになかなかそこから上に行けないという時、かなりの確率で序盤の駒組みをおろそかにしていることがその理由となっています。

第1図

白は黒がやりたいようにやらせてしまっています。形勢にそれほどの開きはありませんが、後手であるにもかかわらず黒の手が進んでいることは明らかです。もうこの時点で普通は白が負けます。白のどの手がいけなかったのか。

白の3手目で第1図になることがほぼ既定路線になってしまっています。白は、Bc4に代えて、

先々黒がd5の地点をポーンで狙っていることを察知して、そこに駒の効きを足すようなNc3を指しておかないと、第1図のような局面を作られてしまいます。

実はこれ、インディアン・ディフェンスのdファイルポーン保留型に対する白の唯一の対応です。これ以外だとだいたい黒がいい形を作ってしまいます。3手目でNc3とすればここから先、しばらくは黒が形勢をよくする手がありません。

ではなぜインディアン・ディフェンスのdファイルポーン保留型を指す黒が存在するのか? 上の局面から5手ほど白は最善の手を指し続けるのが案外難しいからです。そのどこかの局面で黒が良くする、あるいは良くする準備が可能になります。


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