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折々のチェスのレシピ(142)

前回からの続きです。

前回ご紹介した手筋がかなり効果的な(そして手間がかかる)ことを眺めてみてください。

白が勝勢といっても勝ち切るまでにかなりの手間暇が掛かっています。

この例からもわかるように、単に駒得しただけではものすごく勝ちやすくなるわけではなく、ちょっとハンデをもらったぐらいに思っている程度がちょうどいい感覚です。相手の駒を取れるということは、その代償として自分の駒組みなどに負荷が掛かっている場合もよくあります。今回の例でいえば、左辺に黒のポーンの進出を許してしまうといったことです。

駒得したほうがいいのか、それとも別の手段で手を作っていったほうがいいのか、その判断は時にかなり複雑です。ひとつの目安としては、相手の駒を取るのに2手分の手間暇が掛かる時(あるいは駒を取るまでに相手に2手与えてしまう時)は、あまりいい取引にならない可能性が高いです。他の考え方もありますが、またいずれ。

(本譜では白がもっと早く勝つ手筋がありますが、詰め切るのがそれなりに大変だということを知るための例を選んでいます)


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