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藤井聡太二冠に学ぶ次の一手(1) 神の一手に至る過程

藤井聡太二冠には時折、神の一手と呼ばれる超絶妙手が現れることで知られるが、我々素人にはとても真似できないし、どちらかといえばそういう意味では役に立たない。

だが、いわゆる神の一手に至る過程にこそ真髄があるはず。なんとなれば、神の一手はそれ以前の指し手に宿るわけなので。

そこで、我々素人も、そこ(神の一手)へと至る各局面への対応であれば、もしかしたら藤井二冠の真似をできるかもしれない。

というよりも、藤井二冠の強さの核心は、各々の局面でちょっとではあるかもしれないけれど、確実にポイントを稼ぐ指し回しにあるので、そのあたりを少しだけでも吸収できれば、大袈裟にいえば我々の人生ももっと豊かなものになるであろう(希望)。

というわけで第1回は、「藤井聡太 王位・棋聖 vs. 広瀬章人 八段 第6期叡王戦段位別予選八段戦」のある局面を勉強してみる。

第1図は、先手藤井二冠が7七にあった桂馬を跳ねて桂交換に出た手に後手が応じた局面。

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第1図 44手目 △6五同桂まで

我々素人はすぐに同歩と取ってしまったりしそうになるが、同歩と応じると、角交換してもいいですよというメッセージを相手に送っていることになり、実際に後手が角交換に出てくると先手は大変なことになる。

△8八角、▲同金

ここで△7九に角を打ち込まれるとどうか。飛車の横効きがあるので金を取られることはないが、△5七で馬を作られて大変。

金取りと馬成りの両方を防ごうと思えば▲5八飛しかないが、後手が角で強引に金を取れば、▲同飛としても、△7七金打で飛車を▲8九に逃したところに△8八歩打なら、先手は8筋からの飛車の侵入を許すか飛車を取られるしかなくなる。

後手がこんなに攻めを急ぐかどうかわからないが、角交換を許してしまうと先手が大変なことだけは火を見るよりたしかである。

というわけで、藤井二冠は当然、第1図から▲同銀と応じたのでした。

しかし、その次の後手の一手にも先手は適切に応じないとまずい局面。

続きは後日・・・、

追記:続きを書きました。続きはこちらです。


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