見出し画像

折々のチェスのレシピ(56)

今回は憶えておいて損はない手筋のご紹介です。

クイーンズ・ギャンビットを採用するとこれに似た局面になることがあると思います。その時、

c3の地点をルークで受けておきます。これがその手筋です。相手が応接を誤らない限りすぐには明確な効果は現れないと思いますが、

もし黒がc3のナイトを取ってきた場合にはルークで取り返します。その後、d5の地点で駒を捌き合うと、

白のルークが存在するcファイルが通るようになります。黒のf7の地点を間接的に狙う形になります。

ここまで形を作ってから、

クイーンを繰り出していくと、黒が駒を動かしにくくなっていることがわかると思います。黒はビショップを動かすとb7のポーンを取られてしまい、b6とポーンを上げるとナイトを取られてしまいます。また、d5のポーンが浮き駒になっています。

あらかじめ知っていないと思いつきにくい手筋ですので憶えておくといいと思います。多くの場合、序盤は眠っていることが多いルークを活用する手順です。

ただ、この手順にはデメリットもあります。ルークを早く上げることで、守りがやや弱くなります。また、ルークが狙われる可能性も高くなります。よって、指しこなすにはそれなりの技量が要求されます。これまでこうした手筋をご紹介してこなかったのはそのためです。

しかし、chess.comで1300やさらにその上の相手と対局するようになると、ここ何回かチャンスがあればぜひ検討に入れて欲しいと書いてきたサクリファイスもそうですが、リスクを負っても攻めないと勝てなくなってくるはずです。ということで、また時折かもしれませんが、指しこなしに技量が必要な手筋なども今後はご紹介していく予定です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?