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折々のチェスのレシピ(260)

白は駒損しておりやや押されている局面です。

第1図

黒はキャスリングができないこととなり、守りに弱点を抱えています。今のうちに白は少しでも形勢をよくしたいところです。幸にしてクイーンでチェックが掛かります。しかし、選択肢が二つあります(Qf3とQh5)。どちらがいいでしょうか。

まずはQh5とチェックを掛けるほうがいい形になる可能性が高いです。

ポーンで簡単に受けられてしまうことを心配するかもしれませんが、

もう一度チェックを掛けることができます。この形になると、黒のh8のルークが素通りになり取れる可能性が出てきます。また、h6の地点をビショップが活用できる可能性も出てきます。

上図で黒はBf6と受けないと白に逆転を許してしまいますが、

ここで白は黒のクイーンの位置を咎めます。ここで黒はクイーンをd8に逃す以外の手はやはり白に逆転を許してしまいます。

第1図でQf3とした場合、同じような手筋で進行しますが、例えば、進行例として、

このような形となり、白の逆転はかなり難しくなっています。

ちょっとした手順の差で形勢にこれだけの差が出る例でした。


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