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新・チェスのレシピ #22 チェスでスコア1300点超えを目指す人のために

前回は急戦がうまく決まる例をひとつだけご紹介しました。今回は急戦の受けのほうをやってみたいと思います。自分から急戦を決めるのも気持ちがいいものですが、相手の急戦を受け止めながら相手が気づかないうちに反攻の下準備をしておくと、あっという間に攻守が入れ替わります。

いきなりクイーンを出してくるプレイヤーに時々出会うかと思います。まずはきちんと受けましょう。eファイルのポーンが浮き駒になっているので、まずそれにナイトで紐付けします。すると黒はそのナイトを狙ってビショップを飛ばしてくる可能性が高いです。

黒の意図は幼稚なほど明確です。c3のナイトを取ってしまえばe4のポーンを取ってチェックを掛けられる、というものです。幼稚な意図ですが、許すわけにはいかないので、e4ポーンにもうひとつ紐付ける必要があります。いくつかの手段があります。どれがいいでしょうか。先々の反転攻勢まで念頭に手段を選んでください。

ビショップで紐付けるのがいいでしょう。このビショップはいずれ黒のクイーンを狙う駒にもなります。黒は予定どおり(?)ナイトを取ってきて、白はビショップを取り返し、黒がナイトを進出させてきたところで、白はクイーンを狙います。

第4図

黒はクイーンをどこかに逃すでしょう。まずはそれを見守ります。e7やd8に逃げた場合には当面追いかけようがないので、白はキャスリングするかRb2として力を溜めます。

f6に逃げる場合もあるでしょう。その際には、

もう一度追いかけます。逃げ場所はひとつだけです。

一旦ビショップを退いて黒のクイーンを自由(?)にしながら、c7のポーンを狙います。こうすると多くのプレイヤーはクイーンでg2のポーンを取ってきます。そうしたらRg1として黒のクイーンがh3に逃げますので、Rg7と相手陣地に突っ込みます。

あるいは第4図から黒はh5にクイーンを逃すかもしれません。

その時には、h3とポーンを突いておきます。なぜ今このポーンなのか俄にはわからないかもしれませんが、相手の出方次第ではクイーンを取ってしまう大切な布石になっています。

もし黒がf6にナイトを出してきたとしましょう。その時はe5とナイト取りにポーンを当てます。先ほどh3にポーンを突いているので、ナイトの逃げ場所は戻るかd5です。

どちらであっても、白はg4とポーンを突いてしまえば黒のクイーンを捕獲できます。これで白は早々と勝勢になりました。

必ずしもいつもいつもこんなにうまくいくとは限りませんが、最後の手筋は対局中に思い浮かぶということはなかなかないと思います。あらかじめ知っておかないと指せないでしょう。急戦を仕掛けてくる相手は駒組みのどこかに必ず瑕(キズ)を抱えます。それがどこなのかは事前に研究しておくことが可能です。急戦のパターンはそれほど多くはありません。その気になればすべて事前研究が可能です。そうしておけば、相手が急戦を仕掛けてきたら、あなたはしめしめとほくそ笑むことでしょう。


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