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6月はプーシキンの詩⑦

      ドン

広がる草原のまん中に かがやきながら、
  ほらあそこに流れている!…こんにちは、ドンよ!
遠くにいるお前の息子たちから
  私はお前に挨拶をとどけにきた。

誉れ高い兄として、
  多くの川が静かなるドンを知っている;
アラスからも ユーフラテスからも
  私はお前に挨拶をとどけにきた。

悪意にみちた追跡から解放され、
  自分の祖国を感じながら、
すでにドン産の馬たちは飲んでいる
  アルパチャイの流れを。

さあ 準備するのだ、代々伝わるドンよ、
  邪悪な騎手たちのために
お前のぶどう園の
  きらきら輝く、泡たつ汁液を。
                (1829)


*アルパチャイ:アラス川の支流。19世紀において、ロシアとトルコの国境にあった。
註:プーシキンは、ロシア人部隊がロシアへ戻ってくる前に、エルズルム(現トルコの都市)から出発し、それゆえに詩人は、まるで勝利の知らせをもたらす者のように、ドン川の岸辺に現れた。カフカスとは反対側の道にある、驚くべきドン川の直接的印象をもとに、プーシキンによって詩が書かれたことを証明する物語が残されている。


    ДОН

Блеща средь полей широких,
Вон он льется!.. Здравствуй, Дон!
От сынов твоих далеких
Я привез тебе поклон.

Как прославленного брата,
Реки знают тихий Дон;
От Аракса и Евфрата
Я привез тебе поклон.

Отдохнув от злой погони,
Чуя родину свою,
Пьют уже донские кони
Арпачайскую струю.

Приготовь же, Дон заветный,
Для наездников лихих
Сок кипучий, искрометный
Виноградников твоих.

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