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己を出さず自分を出す(福祉現場をレクリエーションで支援する人の書いたコラム)

今日は、私が介護現場での今のレクリエーション支援の形を実践するに至った、一歩目について振り返りたいと思います。
それは、デイケアである利用者さんの好きな歴史上の人物や文学小説などに出てくる有名なカップルの名前を書いたカード(例:貫一・お宮)をそろえるというゲームを行ったときのことです。

カード自体は、その利用者さんとのお話の中から一緒に考え、ゲームの際にはその方が主人公になれるように、答え合わせの際の解説をお願いしていました。そして、当日、カップルを10数組書いたカードをテーブル分用意し、テーブルごとのグループでカップル同士組み合わせてもらおうと、カードを配布しました。

さぁ、と、説明をしようとすると、各テーブルこれまでに見たことがないくらい、すでに盛り上がっており、小生の話を(良い意味で)聞いておらず、カードに夢中になり、「これは何の話だったかね~」とか「〇〇が演じてたね」とか、話がはずみ小生は何もすることがないくらいでした。
それを見て、私はこれが本来のレクリエーション活動なのではないかと感じました。

もちろん中には「うちは本を読んだりできず知らない人たちであった」という声も聞こえましたが、「知らない方々だったけど、皆さんが楽しそうに教えてくれたので、娘に頼んで映画で見るわ」と言ってくださった方もありました。

各テーブルカップルにそろえ終わった際には、予定していた通り、一緒に考えた利用者さんに解説していただき、もうひと盛り上がりしてゲームを終えることができました。最近、レクリエーション活動、そして支援で、この重要な点を忘れかけていたので、初心を忘れないためにもメモとして残しました。

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