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ゴジラ全作レビュー&イラスト(10)『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』

ゴジラシリーズ全作レビューもやっと1/3である10作目に!
ところで本作はシリーズの中でも異色作です

ストーリーはこんな感じ


ーーーあらすじーーー
■小学生の一郎は空き地で真空管を拾うがいじめっ子に取られてしまう。
■テレビのニュースで5000万円強奪事件を報じている
■隣のおもちゃ発明家のおじさん南信平(天本英世)が親が不在の時には世話を焼いてくれていた。
一郎は南のおもちゃコンピュータで通信をして怪獣島の世界を妄想していると寝てしまった。穴に落ちると、ロープでミニラが助けてくれた。
この島にはガバラという意地悪な怪獣がいた。
■一方で、銀行強盗団は一郎に隠れ家で免許証を拾われ、身元ばバレるのではないかと一郎を誘拐する
しかし一郎はミニラに勇気をもらいアジトから逃げ出す、追いかける強盗、しかし落とし穴で一人をやっつける、
■いじめっ子と道で鉢合わせた一郎、頭突きで相手をやっつける。ペンキ塗りのおじさんに悪戯すると一郎もいじめっ子も一緒になって逃げてゆく

監督は本多猪四郎。東宝チャンピオン祭の一作ということで子供向けしかも低予算で作られた本作。
怪獣バトルは一郎くんの妄想という設定であり、かなりの部分は過去作品の使い回し、ミニラも一郎くんと同じくらいの背丈かと思いきや別な場面ではゴジラの半分くらいの大きさだったりメチャ雑な設定。
ということであまり評価の高くない本作ですが、

少年の成長物語としてはなかなか良いです

本多猪四郎は怪獣映画だからといって人間ドラマも手を抜かないことで知られています、本作ではその人間ドラマ部分をフォーカスした作りになっているのです。
いじめられっ子一郎が妄想の中の怪獣を通じて強くなる、強盗を撃退したり最後はいじめっ子もやっつける。


鍵っ子の一郎を何かと世話焼いてくれるの隣人のおもちゃ発明家南(天本英世)がいい!
こんなに優しいおっさんの天本英世ってなかなか見ないですね。『仮面ライダー』の死神博士でも、『殺人狂時代』の溝呂木博士でもない、一郎くんに世話を焼いてくれる優しいおっさん。
一郎くんにごちそうするすき焼きが実にうまそう!

子供時代、、、真空管拾う一郎少年の姿がなんとも懐かしい。
確かに子供の頃っていろんなものが落ちていたなあ、壊れたテレビとか普通に落ちてた記憶。かぎっ子というワードも社会現象でしたね

ゴジラシリーズって怪獣がクローズアップされますが実は俳優さんの力で持っているところが大きいと思います。
昭和シリーズの宝田明から脇役の土屋嘉男、天本英世そして水野久美などヒロイン達。この俳優の魅力は『シンゴジラ』まで続く伝統のように思います。シリーズとしては興行が低迷し何度も打ち切りになりそうで実際に突っ込みどころ満載のシナリオも多い。映画として決して立派とは言えない作品も多い。
そんな中でなんだかんだで継続されてきたのは俳優力でしょう。

パンナム航空がやたら出ると思ったら提供していました。パンナムって映画の中では『2001年宇宙の旅』『ブレードランナー』とか映画内の露出が結構多いですね。
昔はアメリカを代表する航空会社だったけど91年に経営破綻しちゃったので今はないのですが。映画史に残る傑作にたびたび登場するので永遠に社名は残り続けます。これはこれですごいことだなあ

ではでは

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