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vol.12 便が排出されるメカニズム

前回は、便秘についてお話しました。

では食べたものが便として排泄されるまでどういった経路を辿るのでしょうか? 何故便秘が存在するのか。メカニズムを知れば何か対策も考えられるのではないでしょうか?

まず人間の身体は、口から肛門に至る1本の管で出来ています。口から入った食べ物は食道を通り、胃や腸で分解され、吸収され、肛門から排出されていきます。食べ物が体内に入ることは、つまり、管の中を通って出ていくという工程そのものを表します。分解され、血管内に通過出来るまでに小さくなった栄養素の状態になってから、体内に吸収されます。

1、口腔内で歯によってすり潰される。

2、胃に進み、ph1〜1.5という強酸性の中で数時間かき混ぜられる。

3、小腸に進み、消化物を分解して吸収。より効率良く吸収する為に小腸には絨毛と呼ばれる突起があり、絨毛はテニスコート一面程度の表面積がある。
*市販の便秘薬などを服用し続けるとこの絨毛の突起が萎縮していく、便秘薬の成分によっては腸の色も変色するといった「大腸メラノーシス」という現象が起こると言われています。

4、小腸で吸収されなかった食物繊維などは大腸に進み、水分や塩分を吸収。大腸は弱酸性の5〜6に保たれており、腸内細菌が食物繊維を分解し、身体に有用な酢酸、プロピオン酸、酪酸といった短鎖脂肪酸を生成する。

5、残ったカスは便として排出。

このような5段階の消化メカニズムがあり、排便までの時間は、食べ物によって振り幅があり、大体24〜72時間とかかると言われています。さらに、大腸内での腸内細菌の分解、吸収は、約16時間に及びます。

このように、口から入った食べ物は、下へ下へと移動し、大腸の蠕動運動によって、最後は便として排泄されます。便秘の場合は、この大腸の通過時間が遅く、水分が吸収され過ぎていることも一つの要因と言われています。そのような状態の場合には、吸収する水分量を見直してみないといけません。そして、便を肛門へと送る蠕動運動を促すよう、運動習慣や自律神経の調整も必要になってきます。

これらで改善が見られない場合には、生まれつきの直腸の形も影響するようです。一人一人、骨格や筋肉の質、髪質などが違うように、内臓も十人十色。先天的な形態が問題を起こしている場合もあります。

一度、食生活、運動習慣、そして、専門医のもと直腸の形態のチェックもしてみると良いかもしれませんね。


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