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vol.8 新陳代謝のメカニズム

新陳代謝とは何か?

新陳代謝という言葉を時折、耳にすることがあると思いますが、我々トレーナーも、「基礎代謝」といった言葉を使います。でも改めて、「代謝って何?」と聞かれると、案外説明するのが難しいのです。

代謝とは、異化(catabolic)と同化(anabolic)という2つの働きを合わせたものです。異化とは、たとえば、異化のひとつに「カタボリック」とよく表現される現象がありますが、それは、タンパク質が “ペプチド” から “アミノ酸” へと分解される過程を意味しています。このように、トレーニングにおける異化とは、取り込んだ栄養が、より小さな形へ分解されていく過程のことを表します。異化によってアミノ酸まで分解されたタンパク質は、酵素やホルモン、抗体などの素となり、体内で使用されていきます。

同化は、この逆の過程のことを表します。アミノ酸まで分解されたものを再び筋肉への合成のために “筋タンパク” として『再合成』されていくような反応の事です。糖質でいうと、肝臓に蓄えられたグリコーゲンが再びグルコースに形を変えて体を動かす材料になるようなことを表します。

このように、新陳代謝とは「新しいもの」と「古いもの」が入れ替わるという意味があります。

トレーニングにおける、代謝の重要性について

基礎代謝とは、生きていく生命維持のために必要とされる代謝のことを表します。

同化と異化は、トレーニングにおいて、非常に重要です。せっかくトレーニングをしていても、栄養面が不十分であることにより受けた体内破壊のダメージが、トレーニング効果を上回ってしまって、カタボリックに傾いてしまうと、なかなか効果が出なくてもったいない状態に陥ってしまうのです。

しっかりと休息や栄養が取れていて、しっかりと適切なトレーニング負荷がかかっていれば、トレーニングによるダメージをしっかりと回復させて、もとの身体よりも、強い身体へと進化していきます。これを『超回復』と言うのですが、アナボリックな状態(血液中のアミノ酸濃度が高く、成長ホルモンなどの分泌が盛んに行われており、筋肉合成が活発な状態)にあると言えます。

新陳代謝は肌や、血液中の赤血球や白血球などにも見られるので、この反応が低下することで、いわゆる老化現象が起きるということになります。運動をしている人が、年齢より若く見える理由はここにあります。

定期的な運動をしている人は、発汗や関節運動の際の皮膚や筋肉の伸張などといった機能を常に使っているため、細胞の破壊、そして新しい細胞への入れ替えが、身体の隅々で起こっています。もちろん運動する際に発生するような活性酸素が、体を酸化させてしまうので、きちんと栄養を摂って対応する必要はあります。同化、異化に関わる代謝を意識した栄養面のサポートとなりますね。

運動を全くしない場合は、こういった体内の反応も常に安静時の状態であるために、活発化する必要がない状態の身体となっていき、身体の代謝は落ちていきます。

運動といっても、サッカーなどのスポーツもあれば、筋力トレーニングのようなものもありますし、登山等の生涯に渡って出来るものもありますので、身体を動かす習慣をつけること自体は、良いことだと思います。

身体を使うことで、自身の身体と向き合う時間が増えていきますので、是非、1日1つのストレッチやトレーニング、ウォーキングでも良いので始めてみましょう。


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