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【RS04】幸せを届けるピアノ&ヴォーカルデュオ・Forvaleno

pf.&vo.のぞみと、vo.はなみによるピアノ&ヴォーカルデュオ・Forvaleno(フォルバレーノ)。東邦音楽大学附属高校の同級生だったふたりは、18年1月からデュオとして本格的な音楽活動を開始。19年11月に初のCDリリースとワンマンライブを控える彼女たちに、今後の展望と意気込みを訊いた。

それぞれの夢が奏でるハーモニー

幼いころから『ミュージカル』に興味を持っていたはなみ。子役養成プロダクションに所属し、いくつもの舞台に子役として出演したことで、その奥深さに感動した。「観客を幸せにできる表現者になりたい」と思ったことが、音楽の道を志したきっかけだという。

一方ののぞみは、0歳から英語リトミック教室へ通い、2歳から約10年間ピアノを習っていた。中学校では吹奏楽部へ所属。部活動が忙しくなったため、ピアノは辞めてしまったが、音楽への愛は変わらなかった。

特に好きだったのは『合唱』だ。「当時から、ひとりで歌うことにはあまり関心が無くて。ハーモニーのある歌に心惹かれるんです」。

「いつか自分で合唱曲を作りたい」と考えたのぞみは、高校から本格的に音楽を学ぼうと決意した。

東邦音楽大学附属高校の声楽科で同級生となったふたりは、自然に友達グループの輪のなかにいた。もうひとり、仲のよかった友達とともに、3人で文化祭のステージに立ったこともある。

クラシックを中心に音楽を学んだのち、短期大学へ進学。はなみはそのまま声楽を専攻し、のぞみはコンポージング・アーティスト専攻へと移った。「やっぱり『曲を作りたい』という思いが強かったので、作曲を学ぶために転科しました」。

いったんは別々の道を選んだふたりだが、親交が途絶えることはなかった。短大の卒業が近づくころ、「これからどのように音楽をやっていくか」と真剣に将来を話し合うなかで、ピアノ&ヴォーカルという形態のデュオを結成するに至った。

「『Forvaleno』は、イタリア語の単語を3つ組み合わせた造語です。ふたりとも音大でイタリア語を勉強したり、向こうの楽曲を歌ったりしてきたので、その出自も生かしたくて考えました。『少しの間でも私たちの歌声で幸せを届けたい』という思いを込めています」と、はなみは説明する。

同じピアノ&ヴォーカルデュオとして、ふたりが最も尊敬しているアーティストはKiroroだ。

「『Best Friend』などの代表曲は、ご本人たちの歌唱が素晴らしいのはもちろん、楽曲としての面白さがありますよね。本来は存在しない男声を加えた混声三部合唱でも親しまれていて、学校の教科書にさえ載っています。私もそんな楽曲を書いてみたいです」と目を輝かせるのぞみ。彼女の個人的な目標は、いつかNHK全国学校音楽コンクールの課題曲を作ることだ。

はなみは、「Kiroroさんのように老若男女問わず愛されるアーティストになって、大きな舞台にも立てるようになりたいです」と言う。憧れの舞台は武道館だ。「もっともっと沢山の人に私たちの歌を届けたいです」。

ぴったり同じでないからこそ生まれる美しいハーモニー。ふたりの夢が織りなす『Forvaleno』の音楽に、ますます注目したい。

CDリリース&ワンマンライブ開催、さらなる飛躍へ

結成以来、月3~6回ほどのペースでライブを行っているForvaleno。週に2回は顔を合わせて練習し、6時間ほどスタジオにこもって制作を行うときもある。プライベートでも密に連絡を取り合っているというから驚きだ。ふたりの息の合った演奏は、ともに過ごす時間の長さあってのものだろう。

Forvalenoでは、楽曲によって主旋律を歌うリードボーカルとハモリの担当が入れ替わる。「新曲ができるたびに、それぞれで歌ってみて『このフレーズははなみのほうがいい』『高音のハモリはのぞみのほうがいい』などと話し合って決めています」。試行錯誤しながら、ふたりの声質と声域を生かし、聴き心地のよいハーモニーを探している。

オリジナル曲のほとんどは、のぞみが作詞作曲を行っている。彼女いわく「作曲していると、自然にコーラスが出てきます」。幼いころからのレッスンで身に着けた絶対音感や、合唱曲に興味を持ち続けてきたこと、中学校の吹奏楽部でトロンボーンを演奏した経験などが役立っているという。

「トロンボーンは中低音の楽器で、ベースを支える役割を持っています。そういう楽器を選んだことも含めて、昔から『楽曲を全体で見る』意識を持ってきました」。

翻って、はなみは「長い間、クラシック歌手としてソロの歌い方を学んできたので、ユニットでハーモニーを奏でるということに最初はかなり苦戦しました」と振り返る。「特に『引き』が苦手で、『ここはメロディと伴奏の中間を歌う』と頭で理解しても、声にするのが難しかったです」。

最近は楽曲制作にも挑戦しているはなみ。「自分が歌詞を書くと作文になってしまうんです。韻を踏んだり、メロディへ上手く乗るような言葉を考えたり、大変です」。苦心の末に出来上がった曲の一つが、カフェの店員に恋する女の子を描いた『Sweetie Boy』だ。「言葉をしっかり伝えられる歌い手になりたいです」。

現在、ライブでのレパートリーは、オリジナル楽曲とカバーを合わせて約30曲。カバーする楽曲は、ファンやスタッフの意見を聞きながら決めているという。「『ソロシンガーの名曲にForvalenoがハーモニーをつけたらどうなるか?』というコンセプトで、色んな曲を歌っています」。

オリジナルの代表曲は『ふたりきり』。Forvalenoとして活動を始めてすぐに制作し、18年3月ごろから歌い続けている楽曲だ。作詞作曲を担当したのぞみは、制作のきっかけを「その年の1月に成人式があって、5年ぶりに会った中学の同級生が結婚していたんです」と回想する。

「そこから着想を得て、『かつて仲が良かったけれど離れてしまった相手に、伝えたかったけれど伝えられなかった気持ち』をテーマに書き上げました」。ファンからの評価も高い一曲である。

19年11月には、Forvalenoとして初のCDリリースとワンマンライブを控えている。CDに収録されるのは『ふたりきり』と『約束』の2曲だ。

離別の切なさをストレートに表現しつつ、明るい未来への期待や相手の幸せへの祈りなど、ポジティブなメッセージが胸にしみる。ぜひ手に入れて、それぞれの世界観を堪能したい一枚だ。

ワンマンへの意気込みを訊くと、「18年1月、フォルバレーノとしての初舞台が、恵比寿天窓.switchさんでのオープニングアクトでした。あれから約2年。大きくなった姿を見せられるようにがんばります」と答えてくれた。

現在は、幾つかの新曲をワンマンで初披露すべく準備中だという。「ぜひ、最初の目撃者になりに来てください」。

ワンマンの開催後にも視線は向いている。「今は都内のライブハウスを中心に活動していますが、神奈川や千葉、埼玉など関東全体へ活動範囲を広げたいです。いずれは東名阪ツアーや地方でのライブも行って、日本全国の人に私たちの歌を届けられるようにしたいです」。

19年5月には長野県飯山市で開かれたオーディション大会を勝ち上がり、20年に開催予定の『第37回いいやま菜の花まつり』のイメージソングを務めることが決定している。

これからますます活躍の場を広げていくであろうForvaleno。彼女たちの『はじめのいっぽ』となるワンマンライブも、その先の展開も楽しみだ。

text:momiji

INFORMATION

11/28(木)フォルバレーノ ワンマンライブ 2019『はじめのいっぽ』
【会場】恵比寿天窓.switch
【Open/Start】19:00 / 19:30
【前売/当日】¥2,000/¥2,500(各ドリンク別)

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