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『休むこと』について考えた。

保坂亨さんの「学校と日本社会と『休むこと』」と言う本を読んで考えたことをまとめました。

1.私の子供の頃の「休むこと」

私は小学生の頃、まじめで正義感の強い子供だった。学校を「休むこと」は、当たり前のように悪いことだと思っていたし、通知表の欠席の欄に、0以外の数字が書いてあると、ここさえなければと悔やんだものだった。

中学の部活動ではソフトテニス部に入り、毎日の朝練、放課後は走ってコートに向かい、夜7時まで続く夜練に毎日参加した。

最高学年の3年生になると部長となり、先生が会議で自分たちだけで練習しなければならない日、サボる部員たちに対して、ちゃんとやらないことを責めるようなクソ真面目な部長だった。

今では信じられないけれど、その頃の部活動は平日も土日も毎日あるのが普通で、休みといえば、夏休みお盆の3日間とお正月休みしかなかった。

そんな状況に文句を言いながらも普通にこなしていたのは、今考えるとちょっと異常だ。

2.教員の「休むこと」

世界的にも日本人は働きすぎだとよく言われる。

かくいう私も、2年前まで学校現場に身を置き、教員として忙しい毎日を送っていた。

年休という一般企業でいうところの有給休暇を使い切ったこなど一度もなく、毎年繰り越された分がそのまま消えていくという悲しい状況が繰り返されていた。

でもね、これが中々使えない。教員という仕事の特殊性かもしれないんだけど、一つの仕事をその個人が責任をもち、他の人が代わりに業務にあたるということがとても難しい状況にあるように思う。

まずは1番の要因として、人が足りない。全員がオーバーワークの状態で、誰かが休んでその人の仕事が周りに振り分けられるということは、周りはさらにオーバーワークの状態になるということだ。
しかも、やらなければならない事が、各クラス、教科というように分かれているので、その人のせいで仕事が増えた、というイメージにつながりやすいのかもしれない。

当然、それがわかっている人ほど、「休む」という選択をしずらくなるのだ。

3.先輩の場合「人ってさ、〇〇できるんだよ」

先日、中学校の教員をやっていて、絶賛育休中の先輩のお家にお邪魔した時に、こんな話を聞いた。
先輩は妊娠中のつわりがひどく、現在1才の息子さんを妊娠中に15キロ(!!)体重が落ちたらしい。

先輩「人ってさ、吐いて吐いて、胃液まで吐き切ると、その後胆汁を吐けるんだよ笑」

先輩は笑顔でそう語ってくれた。

ここここ、怖い!!

もちろん食べ物は喉を通らず、体調の悪い中仕事を続けていたが、点滴が必要だったり、ついには入院したりと、休まざるを得なくなったそうだ。
そこで校長から言われた一言が

校長「成績はつけてね。」

え?

仕事ができないから休んでいるのに、成績はつけてくれと言われることはよくあるらしい。妊娠による体調不良だけなく、様々な理由で働けなくなり休職に入った教員によく聞く話だ。
信じられないとお思いだろうが、本当によくある話。
そしてその教員しかその授業を担当していなかった場合、確かに他の人が成績をつけるのは難しいかもしれないけれど。(そしてそもそも成績をつけることは果たして必要なのか、と私は思っています。)

これは学校という職場のシステムが、そもそも誰か抜けてしまったら他の人が代わりを務める事ができない時点で破綻していると言わざるを得ないのではないか、と思うのだが、なかなかシステムって変わらない。

つわりのひどかったその先輩は、結局学校から40分かけて、先輩の自宅まで全作品を車で運んできてくれた教頭先生と、吐きながら1日かかって成績をつけたそうだ。(先輩は美術の先生)
壮絶。。

そもそも休みが取れないのに、休んでも休めないという。恐ろしい社会。

4.わが家の子供達の「休むこと」

私は色々考えて、この仕事に身を置いているのはもう無理だ。と判断し、退職した。
そこで一番今思うのは、自分の子供たちには、「休む」ということに罪悪感を持たないでほしいということ。
自分が子供の頃、体調が悪くて休んでいるのに、布団の中でなんとも悪いことをしている感覚を覚えたことを記憶している。(それもちょっと楽しかったけど)
なかなか学校に行く事ができなくなっている、不登校の子供たちは、「行けない、でも行かなきゃ」の気持ちの間で、辛い思いをしているんだろうと思う。

わが家の上の子は、だいたいいつもなんでも楽しくて、学校大好きなタイプ。反対に下の子はお家大好き。幼稚園の頃は行き渋る日も結構あった。今はがんばって2人とも毎日登校しているけど、これから大きくなっていくに連れて、「行きたくない」という日もあると思う。

「休みたい」と思うならきっと理由があるはず。
自分の子供がそうなった時、子供の気持ちをしっかり聞いて、気持ちに寄り添う存在でありたいと思う。
行かなくてもきっとなんとかなるしね。

あと、学校を休んでディズニーランドに行っても、いいと思う。

でも自分はなかなかできないんだよなー。
まだまだ「休んではいけない」という呪縛から自分を解放できていないということかも。精進します。
本年度より、ラーケーションが各都道府県で導入されてきたことは、本当に喜ばしいことだと思う。

ラーケーションとは、「ラーニング(learning:学習)」と「バケーション(vacation:休暇)」を組み合わせた造語で、学びを目的として休暇を楽しむことを指します。 例えば、自然に触れることを目的として海や山・川遊びを楽しむ、地域の魅力の発見を目的として遺跡や博物館・美術館に足を運ぶことなどが挙げられます。

https://terakoya.asahi.com

今年は、子供たちとラーケーションしてみたいと思います!宣言!

5.まとめ

『休むこと』について色々と述べてきましたが、私が思うことは、

全ての人が休みを楽しみにし、気持ちよく休みをとって、生活していくことは社会全体の幸福度につながるのではないかと思います。

そうすれば、混んでいるスーパーのレジ前で年配女性に『あんたどきなさいよ!!』などと突然怒鳴られることもないのではないかと。(実際の話)

おっと私は最近イチローマインドを心がけているので、こんなことでは動じないのだった!(突然)イチローさんのマインドについてはまた後日書きます。

みんなが幸せな世の中で暮らしていきたいですね。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!


とまと

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