短編小説④ はるかは毒親育ち⁈(前編)
はるかが子どもの頃、両親は街中で八百屋を営んでいた。商店街の真ん中に構えたその店は、野菜だけでなく、様々な食材を取り揃えており、街の人々や近くの飲食店から親しまれていた。今で言うコンビニのような役割を果たしていたが、その裏では、はるかの小さな心に大きな負担がかかっていた。
はるかがまだ小学校の低学年だった頃から、彼女は母親に呼び出され、学校が終わると自転車に乗って店に向かい、配達や店番を手伝わされていた。友達と遊びたいと思っても、その願いはなかなか叶わなかった。父親は早朝に