見出し画像

【童話ネタ】人魚カトレアの大冒険(仮)

ごきげんよう、りどもあ。です。

今日も今日とて物語を妄想します。
今日のテーマは「見えないもの、だけどそこにあるもの」です。

人魚カトレアの大冒険(仮)

◯登場人物◯
人魚


むかしむかしあるところに、血のように真っ赤な髪の毛の人魚がいました。
その人魚は生まれつき目が見えず、いつも真っ暗な世界を泳いでいました。

人魚は髪の毛をからかわれるたび、目の見えない自分を呪い、自分のことがきらいになっていくのでした。
そんな彼女は自分の大好きな色を探して冒険に出掛けました。
もし叶うなら大好きな色で髪の毛を染めたいと思ったのです。


人魚はいろいろな場所を旅しました。
その途中である深海魚に恋をします。
「ここは暗いよ。君が見ている世界と同じだよ」
すき、という想いを伝えたくて、涙を流す人魚。
でも海の中なので見えるわけがなく。

すると、流れていく涙をなぞるように深海魚が頬に触れました。
「ここは真っ暗でなにも見えなくて、たまに自分の存在すら見失いそうになるけれど。ここにいるんだ、そう信じること。それが僕を形作っているんだよ」
カトレアはその日から髪の毛を染めることはやめ、深海魚と末永く幸せに暮らしたのでした。

見た目とか、あるとかないとか。
そんなことどうだっていいと思うのです。
本当に大切なのはそのもっと奥底にあること。

りどもあ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?